今日の天気は珍しく雨だった。
傘をさして未来の悟飯は、学生のここの悟飯と買い物に出かけている。
2人は仲が良い訳ではないが、お互いに「悟飯」であるためか、なんとなく似ているところもあり仲が良いように「見えて」いた。
傘をさして並んで歩き、学生飯は片手に袋いっぱいの荷物を持つ、未来悟飯は肩に掛けたバックの中にパンパンに膨れるほど入れてあった。
2人は無言、バス停までの道のりを雨音だけが傘に叩いている。
歩く雨音も走るビチャビチャ音も、靴音も風の音も人の話し声も聞こえてくるのに、バス停に着いて傘をたたんでいる時も無言で、静かで何も考えていないかのようにただバスを待っている。
そんな訳は、学生飯にはない。
いかにして日頃の仕返しをしようと隣の未来悟飯のことを考えていた。
そのための、買い物もある。
未来悟飯の方は殺気とまではいかないが何かを感じていたらしく、学生飯を観察しているところもあった。
そして、肩に掛けたバックの中には悟天と一緒に食べるお菓子を大量に仕入れていた。
バスに乗ったあとも、降りたあとも。
2人は静かに家路につくかと思っていた。
家は山の丘にある、近くには広大な畑もある場所だ。
雨が強くなってきて傘でも濡れてしまうことに、農機具を置いてある借りている小屋に入ることになった。お互いにびしょ濡れ、ここだとまだ携帯の電波も届かない場所でもある。
小屋の奥には休憩できる部屋があり、幸いストーブが付く、冷えた身体を温めるため上の服を脱いで干し始める未来悟飯に学生飯も脱いで干す。
筋肉がついている未来悟飯と最近サボりがちの学生飯の弱った筋肉がちらほら。
「もう少しだったのに、雨凄くなったから。」
「そうだけど、しょうがないか。」
この小屋で雨宿りをする理由である。
「ねぇ、僕の言うけど••」
「カプセルコーポレーションに行くつもりはないよ。」
「トランクスがいるんじゃないのか?(ちょっと多めに)」
「勘違いしないでほしいよ、トランクスは会いたかっただけで、なんとも思っていない。」
「恋愛感情もあるんだろ?僕は別にいいと思うけど。」
「恋愛感情がある俺は、別の俺じゃないのかな。今の俺は悟天くんがいれば•••」
「僕の弟とだ。」
「俺にだって弟だろ、独り占めはよくない。」
最近どっちが独り占めしているんだ、とは言わない学生飯であるも、この前の悟天に対する「行動」について聞いてみたかった。
「なあ、悟天と•••したいのか?」
「ああ」
「にいちゃんとして、そういうのはアウトだ。」
「ここでの俺がアウトなだけで、俺は、セーフだと思う。」
「じゃあ、キスだってしたことないのに、そういう事を、するって。」
「ちょっとまだ小さいから、ゆっくりとお互いに知っていけばいいと思うけど、そういえばキスはわかるけどそれ以外はどうするんだろうか。勉強している俺なら知ってるよねぇ?」
顔を真っ赤にさせる学生飯にゆっくり近づく未来悟飯、顔を観察して頬に手を触れて•••
「わかった。僕が先生になるから、それまでは悟天に手を出さないでほしい。」
「わかった。」
始まりはキスからであった•••••