都の話をすると困る時がある、僕にはわからない世界だから、悟天が興味を持ち始めているのは間違いなく話を何度も聞いて聞いて。
トランクスさんは時々悟天に会いに来る、その時には魔物たちを隠す、この子たちを危険にさらすわけにはいかない。
未来の僕は不機嫌に、僕だって悟天をとられてしまって、嫌な気持ちになるんです。
遠くで二人を見ながら、僕たちは
「トランクスさんは、悟天を連れて行こうと思っている気がするんです。最近、度々来るのはなぜですかねぇ?」
「トランクス、何かしたら許さないぞ!」
何かダダ漏れしているような、こんな時の僕は抑え役になっている。
「悟天は、にいちゃん好きです。僕らには勝てませんよ、大丈夫です。」
「そうだよな。」
「嫁には絶対出しません!」
嫁に出さない、
それが僕のもっとう。
ここにいる僕も同じ考えならいいなって思っている。
トランクスさんが帰ったあと、隠していた魔物たちを部屋から出すと、寂しかったようで飛びついて来た。
メタルスライムの頭突き•••お腹に入って膝をつく。
「い痛い•••加速がかかって、そうだけど、、うん。ごめん、わかった。」
「そんなに触手で顔を撫でないでほしい。」
あっちのホイミスライムも同じか•••
悟天の部屋では、そっとのぞく。
わちゃわちゃ
わちゃわちゃ
わちゃわちゃ
スライムがもみくちゃにしてる。
トランクスさん来るときは魔物たちがすごく嫌がるんだけど、どうしてだろうか?お父さんに聞いてみなくちゃ。
「そりゃあ、王族のトランクスは勇者っていうんだって言ってたぞ(ブルマが)。」
「それって、魔物たちが逃げる理由なんですか?」
「ん?ん〜よくわかんねぇなぁ。」
「父さん、勇者って?」
「•••ちょっと、用事を思い出した〜じゃあな!」
瞬間移動で居なくなる。
逃げられた。
「勇者•••トランクスが。王族ってのは?」
「お父さんはどうやら宇宙人だったようです。広い宇宙だと地球人も宇宙人になるんですけど。」
「へ〜、で。」
「僕たちのお父さんとベジータさんは、同じ星の出身だったって言ってました。僕たちのおばあさんが、なんでもいろんな生物たちと仲良くなれる特技を持っていたみたいですよ。」
「それは、ここの俺話だろ?」
「そうでした、同じ僕でも世界が違うってお父さんも言ってました。ははは。」
未来から来た僕はまったく魔物も知らないし、悟天のことも知らなかった、大変な世界だったんだな。
「ベジータさんに直接聞いてみよう。」
「それは、いいかもしれません。」
ちょっと用事に出かけるからっと魔物たちに言い、悟天のことを頼み、外でお母さんと話をしていたお父さんを捕まえて。
「しかたねぇな〜オラがいっしょに行って••••」
「もちろんです、お父さん。」
「父さん、お願いします。」
カプセルコーポレーションに向かいことになった。
ここに着いて、ブルマさんが出てきてお父さんがベジータさんと行ってしまい、お茶タイムがてら。
ちびっ子のトランクスがいて、「紫髪のトランクスさん」がその隣に座っている。
「母さん、勇者の話も聞きたかったので同席させていただきます。」
「よろしくお願いします。」
「•••••」
「オレは楽しみだなあ〜」
ちびトラは興味津々だなあ、僕も興味があるから話は楽しみだけど。
「昔、惑星ベジータが危なくなると必ず王族から勇者が出るっていうの。勇しい者で勇者でしょう?悪を倒して剣を振るう。みたいな?」
ブルマさん、ジェスチャー交えてだけど、この話は本当かなあ?
「地球に侵略者が来た時、うちのトランクスが活躍していたじゃない。孫くんのところも何かと助けてくれたし、そこで考えたのが勇者はいるってことよ。」
「オレは、勇者じゃないって思います。確かに剣を振ったりしますけど。」
「ベジータの話だと、王族にしか出てこないみたいで、そうそう、地球にいる魔物?も、倒せば平和になるんじゃないの?って言う話もあるんだけど。」
冗談じゃない!
「••••ブルマさん。勇者はそういうのを倒すのが仕事ってことですか?」
冷静に言ってるようだけど、未来の僕が怒ってる。
「そうなるのかな?だから、ここにトランクスがいるんだと思うけど。」
「オレもいる!」
ちびトラはいつもいるよ。
「悟飯さんも二人なので、きっと何か偶然だと思います、そうなると母さんも二人、父さんも悟空さんもってなっていってしまう。」
「トランクスさんが言うように、偶然ですよブルマさん。その、マ、モ、ノ?もいるかどうかもわからないですよね。見たことないですから。」
「確かに見たことないかも。いたら研究したいから、捕まえたらここに連れてきてね。」
あの時から無言の未来の僕。
僕だって、ブルマさんのところに連れてくるつもりなんてない。
絶対、守らなきゃ。
いい子たちが多いんです。
まだ疑問は残る、お茶をひとくち飲む。
「ねぇ、悟飯くんは未来から来たのでしょ?」
「そうですが。」
「どうだったの?」
未来の僕の未来。
「急にドラゴンボールで呼ばれてしまったので、その後どうなったか分かりません。きっと、みんな平和に暮らしていると、思いますよ。」
「そうなんだ〜、色んな未来があるのね。」
ブルマさんの話もそうだけど、トランクスさんが驚いた顔をした気がする。
「それに、未来にはトランクスがいるんですよ、ブルマさん。大丈夫です。」
「さすが勇者ね。」
「母さん••••」
未来にはひとりだけだって言っていたじゃないか。
なんで、嘘なんか。
「あの、未来の悟飯さん•••」
「いやああぁベジータには参ったぞ、お、ブルマ、これ食っていいか?オラ腹減っちまった〜」
トランクスさんの言葉を、遮るようにタイミングよくお父さんがあらわれて、なんやかんやでそのまま瞬間移動で帰ることになった。
わかったことは、魔物は勇者に倒される運命になるってこと。
「父さん、俺は色んな魔物たちとも交流をしたい。」
「おぅ、いろいろ出会ってみるとおもしれぇぞ。」
「僕にも、」
「考えとくな。」
新しい出会いか、色々話をしてみたい。
帰ってきたのに気がついて、メタルスライムに突進され避けられず。
ホイミスライムにぽんぽんされてる姿を見て、これってさっきもあったなって思いつつ、悟天の不機嫌な顔がこっちを見ている。
「ぼくだけおいて、ずるいよーーーーーーうわあああああああん」
大きな声で耳をふさぐ。
その声に、三人で苦笑い。
「な、なんだ、どうしただ悟天ちゃん。」
「おとうさんがね、きょうつれていってくれなかったんだよ〜」
何処か行く予定だったのかな?
お母さんが悟天を抱き上げて、お父さんに抱っこさせる、
そこですか?僕が、抱っこします。
「悟天、よしよし〜」
スライムたちがまわりによってきて心配している。
「悟空さが、今日は連れて行かねぇのが悪いだ。一緒に風呂もへぇるだよ。」
「しょうがねぇな〜悟天、夕飯前にひとっ風呂だ。」
「うん••••」
なぜお父さんは、僕に向けて笑ったのだろうか。
二人はお風呂場へ
色々あったなあ、ソファーに座る二人で
「はあ」「はあ」
同時につくため息。
今回、僕は思う。
トランクスさんは危険な人物で、ちびトラは幼いながら悟天を狙うもっと危ない危険な存在。
「あれ?青髪と紫髪?いやああそんなことはない、トランクスさんが二人いたら••••未来の僕が」
言葉に出ながらも必要なことだけをノートに書き加えた。
魔物と仲良くできるって能力は、使い方によっては良くもなり悪くもなり、勇者の出現につながるのかもしれない。
おばあさんは、この能力をどうしていたのだろうか?
お父さんは今までどのように対策したのか?
悟天はまだ覚醒していないけど、今後は能力の開花はして良いのだろうか。
そして、
未来の僕は••••何を思っているのだろうか。
まだまだ先が見えてこない。