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    うみ 海未

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    うみ 海未

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    すずらんの香り私は福岡にインターンシップに行くことになった。6時間の新幹線の中私は自然と眠りに落ちていた。




    目的も知らず病気に向かう真夏の夜の中、明理(あかり)は走った。
    病室に入り、一人の少年に会う。

    彼はものすごい笑顔で部屋のベランダのカーテンが優しく揺れていた。


    明理は彼の背中に手を伸ばした。


    夢は終わっていた。新幹線の中目が覚めた。

    「起きたか…大丈夫?少しうなされてたみたいだけど」そういうのは隣に座ってた同級生の白金真白くんだった。
    「大丈夫…」と言って彼に横たわってた体を起こす。

    桜木明理…それが私の名前。

    到着地に着き、所長に挨拶をした。

    「今日からお世話になります。」と真白は言う。
    私も同じく「お願いします」と言った。

    所長はまだ若い…聞いてたけどやはりまだ24歳くらいかな…だけどなんかちゃらそう…

    所長「よろしくね〜もっとリラックスして二人とも〜」

    こんな所長で事務所は潰れないだろうか…そんな不安がすごい抱いた。

    真白くんは少し厨二病みたいなキャラだしなにも突っ込まないし…。

    ここは探偵事務所。

    私と真白は何故か探偵事務所にインターンシップに行くことになった。

    意味不明…。

    探偵とか何するのよ…。

    とか思うも、「早速だけど仕事手伝ってもらうよ〜」と軽く言う所長。

    彼の名前は大谷輝(おおたにあきら)。

    真白「何を手伝うんですか…」

    所長「まずは玄関の掃除ね」さっぱり言い出す。

    なんでこんなことをと思ったが1時間すぎまでしたら所長に呼ばれ、依頼人から頼まれた仕事の手伝いをすることになった。

    浮気捜査だった。

    警察でもないのにこんなことをしてもいいのかまるでストーカーじゃないか…

    張り込みをして暫く経って事実がバレて依頼人に報告無事解決。

    お昼は奢るからと所長について行った。

    所長は「そういえば桜木さんのお父さんって警察署長でしょ」

    明理「…ですけど何か…」

    所長「やっぱりか同じ苗字だし面影あるんだよね」

    明理「会ったことでもあるんですか?」

    所長「まぁね…少しだけどね、気分を悪くしたならごめんね。」

    明理「いえ、インターンシップに行くのも止められてたので無視してこっちきちゃったので」と笑いながら言う。

    所長「そうなの?大丈夫?」

    明理「はい、大丈夫です。それにやりたいことがあったので…」と呟いた。

    所長「やりたいこと」

    明理らは探偵事務所に到着して暫くしてから明理は身だしなみを整えてとある病院に向かった。
    【これから向かうね】

    スマホにはそう打って駆け出した。

    福岡にある病院に向かって行った。

    あの少年に会うため………。

    ネットで知り合ったみのり会うためだった。

    病院に着くなり、みのりの病室に向かった。

    病室の扉を開けて明理はみのりに会うことができた。

    みのり「空さんはじめまして。」

    明理「やっと会うことができました。」

    みのり「嬉しいです。遠いところからわざわざありがとうございます。」

    明理より少し歳が下だということしか知らなかった。みのりは少し小柄で小動物みたいに可愛かった。

    福岡に来たかった本当の理由はみのりに三枝花苗に会いたかったからであった。


    楽しい時間はあっという間に過ぎた。

    明理「私はこれで帰るね…」

    みのり「名残惜しいけど、またね。」と手を振る。

    次の日も次の日もみのりに会いに行った。
    本当なら遊園地や水族館に行って遊びたいところだけど、それもうまくいかない。

    時間の許す限り彼に会いに行った。

    くだらない話して笑いあってくだらないほど楽しい時間は過ぎて行った。
    帰るとき病室の扉を開けたとき4人くらい人たちとばったり会い、みのりさんから紹介された。
    「彼女らは僕のバンドメンバーだよ」
    明理「みのりさんバンドやってたんですか?」

    聞きなれない名前に四人はんと言う顔をした。
    四人にみのりさんのペンネームがバレてしまった。
    みのり「そうだよ、一応ボーカルで歌歌ってるんだよ。」
    はじめまして、いつも花苗がお世話になってます。浜北真波です。(はまきたまなみ)

    と紹介された。明理は本名で名乗った。

    そのとき初めてみのりがStarlightと言うバンドグループで活動をしてることを知った。
    知らなかった…だけど、Starlightという名前は知ってた、曲も歌も知ってた。みのりに教えてもらったのだ。

    知らなかった、みのり達が………
    明理「陰ながらも応援しています!」と言って別れた。

    その夜は全く眠れなかった。知らなかった。
    みのりは明理が好きなグループで活動してるなんでそれもボーカルで。

    みのりにもこのことを伝えた。

    いつか私も…ボーカルで歌を歌いたい…あーいう歌を………。


    でもなんで、みのりさんは病院に入院してるのだろう…確か…総合病院だけど元気そうに見えたけど…どこか頭か心臓の病気でもしているのだろうか…。聞いたことがない…。

    病院に入院することになったこと…しか聞いたことがなかった。

    相談事がある時もいつもネット越しでみのりさんに相談してたけど、私から相談に乗ることもなかった。

    聞いてみようかな…相談に乗れるかわからないけど。


    【明理です。何か困ったことがあったら言ってくださいね。】


    と送った。

    スマホから通知が来た。

    【迷惑じゃないかな】

    と来た。

    【そんなことないですよ、相談事があったら全然聞きます。】
    と送って、返信を待った。
    【それじゃ…】


    【実はね…僕さ今日自殺しようと計画してたんだ。でも空さんには敵わないや…】

    私は思わず
    【そんなことやめてください!】

    数分後
    【ありがとう、こんなことしても誰も喜ばないことくらいわかってるんだけどね、】

    彼は今までのことを話し出す。

    【僕は数年前からいじめを受けていてねあまり記憶がなかったんだけどね、この間家に帰ることができて、家族との交換日記を見つけてしまってね見てしまったんだ、これは全部僕の文字で家族となんて交換日記なんかしてない…と…僕は僕を偽ってた。だからこんな僕が嫌になって僕自身が嫌になってどこかに逃げたくなって何回も自殺未遂をした…入院する原因もそれだった。】

    【でもね、君は僕の歌が好きだと言ってくれた…こんなに幸せなことがあるのかな…あっていいのかな…】

    私は【みのりさんは幸せになりに生まれてきたんだ。私がみのりさんを幸せにします】

    と送ろうとした、まるでプロポーズだ、何も送ることができなかった。

    だけどこのことだけは言える
    【この歌に出会えてよかった、私の方こそ心が救われました。】

    自分もいじめもあってたけどみのりさんほどではないけど、だけど今までの経験を語った。

    自分が自己嫌悪する日々を送ってたことくらい今までのネットでのやりとりをしていたからみのりは知っているが、改めて言った。


    【また明日会いに行きます】と言って寝た。

    翌朝病院に訪れると、みのりさんは家族とバンドメンバーに囲まれていた。

    「どうかされたのですか?」と浜北さんに聞いた。
    「昨日…自殺したたか…」えっ、昨日止めたけど…もしかして間に合わなかった…?

    言葉を失い「植物状態」と聞いた。

    なんで…どうして…自分は混乱した…もしかしたら自分のせい…?

    と思いつつも、そばにあった交換日記を読ませてもらった。

    X月X日…。

    X月X日…。

    直筆はどれも同じものだった。
    彼が言ったことは夢なんかじゃなかった。

    これが夢でありたいと何度も思ったが、夢なんかじゃなかった。

    数時間経っても目覚めることはなく、返された。

    数日後テレビのニュースにはStarlightのボーカル死亡という報道が流れた。


    Starlightはマイナーなグループではあるけれど地方ニュースに報道されるくらい人気があったグループらしい…。

    探偵事務所でこのことを見て少し混乱してしゃがみ込んでしまった。

    所長「大丈夫?」

    顔は真っ青で顔を見上げる。
    休憩室まで運んでもらった、こんなことは初めてだ…知人が近くで死ぬなんて…

    自分は立ち直れなかった…あの子がいない世界なんて…私は何度も自殺を考えた…。


    食べることも少なくなって痩せてしまって、周りから心配されるまでになってしまった。

    それでも必死で生きて…生きて…

    なんで生きているのかわからない…。

    Starlightの歌を何度も何度も聴いた。

    いくつもいくつも日が過ぎて行ったある日、
    Starlightのメンバーの方が来た。

    葬式に呼ばれてないからネットで知り合っただけの私なんかが呼ばわれるわけもなかったけど、Starlightのみんなからはボーカルを探してると言いはじめた。

    そして、私を桜木明理をボーカルに立候補したいと言い出したのだ、失ったボーカルを…私たちは前を進まなくてはならないと語った。

    私は何がしたいんだ…


    だけど私は関東に戻らないといけない…


    私たちが東京に行きます。と言い出した。
    東京で活動しましょう。あなたの歌が聞きたい。
    と言った。
    みのりさんが生前の頃私の歌声を一番褒めていたらしく、それを思い出して駆けつけてくれたのだ…。

    私が歌う…?


    なんのために…彼の代わりに…?


    そんなことできるかな…?


    できればあの人と…同じステージに立ちたかった…

    と家にあったギターを思い出した。

    私はギターを持っていたけど上手いという感じではなかった、歌声にはいくらか自信をつけるくらい努力したくらいだけど、自信満々に歌を歌えるわけではないけど、あの人が歌ってた歌…あの人が作った曲…歌いたい…


    浜北さんは言い出した。

    「花苗は言ってました。ボーカルを託すとしたら明理さんに託したい、この思いを明理さんに託したいと」

    「この思い」

    浜北「あ、彼は昔から負けず嫌いで…だけど…この歌で人を救いたい…と言ってたんです…。」

    明理「私もStarlightの歌に励まされてた一人です…」

    浜北「それじゃ…」

    明理「歌います…歌わせてください…!」
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