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    yumehitoyo2356

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    yumehitoyo2356

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    時系列。マ。
    🎩と行き着けの酒場へ。

    美男は目の保養「ってな理由(わけ)だ」
    「否、如何ゆう理由よ」


    孤児院での仕事を終え何時もの喫茶店で一人珈琲を飲んでいたら急に現れた中也。互いに休暇だっていうにも関わらず姿を現した其の理由を問えば、何でも部下から頼まれ事を承って来たらしい。

    「其れで?態々休みの日にも関わらず、私の貴重な珈琲休息(コーヒーブレイク)を奪おうとする不貞な輩は何方なのかしら」

    折角、読みかけの本を読んでしまおうと思っていたのに。

    「別に今日じゃなくていいんだとよ。ただ、手前に断られたショックが意外と尾を引いてるらしく俺から頼んでくれって云われたから忘れねえ内に伝えに来た」

    樋口さん.......意外とタフなのね。
    まあ、最近は前程焦燥感でいっぱいって感じじゃないらしいし、一回くらいなら教授(みて)あげてもいいか。
    ん?にしても、今日じゃなくていいなら
    明日の任務時に話せばいいのに何故、態々.......

    「ってのは序だ。本題は────」

    私の疑問を解消するかの様な時機で、中也は私に一枚の紙を渡してきた。受け取ったその紙に目を通す。

    「.......期間限定先着100名様に.......お刺身食べ放題ぷれぜんと?!?」

    その紙に書かれた魅力的すぎる内容に徐々に声色が高揚していくのが自分でも解った。

    「偶々偶然店の前を通り掛かったら、ンなモン配ってやがったから手前に教えてやろうと思って態々休みを使って此処まで来てやったんだ。有難く思えよ」
    「有難う中也!!早速今から行きましょう!!」

    私は陶器の中に残っていた珈琲を一気に飲み干して、お皿の上に残っていたお茶菓子を中也の口に突っ込んでから会計に向かった。




    ──────


    「こんにちは~」
    「邪魔するぜ」

    店内に響く私と中也の声。
    お昼時ということもあって賑わっている店内から見慣れた人影が此方に走ってくる。

    「いらっしゃい!和葉ちゃんに中也くん。屹度二人が来るだろうと思って、店の一番奥開けてあるよ」

    嗄れた声でにこやかに微笑みかけてくれるこの方は、この呑み屋の亭主。
    私達がポートマフィアの人間だと云う事を識りながらも、普通に接してくれる快い人だ。

    「気が利くじゃねえか」
    「二人はウチのお得意様だからねえ。何時もご贔屓にしてくれてるほんの些細な礼だよ。ささ!入った、入った!」
    「おっ刺身、おっ刺身~!」

    思わず鼻歌を口ずさむ私に
    「和葉ちゃん、ご機嫌だねえ」と声をかける亭主は云いながらも、私と中也を奥の席──────店内で唯一個室である一室へと誘導してくれる。

    「時に森医師は元気かい?」
    「嗚呼。そういや、首領も近々此処に来たいって零してたぜ」
    「なら、今度は是非三人で来るといい」
    「.......」

    不意に私へと視線を合わせてくる中也。
    私の顔色を伺っていると直ぐに分かったので「絶対に、厭」そう即答してあげた。

    「おや?和葉ちゃんは森医師が嫌いなのかい?」
    「大っ嫌いです」
    「お、おい!和葉!!」
    「ガハハハ!こりゃ森医師も肩なしだなあ!!」

    そんなやり取りをしている間に
    私達は席へと辿り着く。

    「じゃあ、注文決まったら呼んでおくれ!!どうぞごゆっくり」

    私達が座席に着いたのを見届けてから亭主は元来た道を駆け足で戻っていった。


    「和葉。前々から云いたかったンだが首領の事を外で悪く云うの止めろ」
    「だって厭なものは、厭」
    「.......まあ、手前が首領を嫌う理由は解ってる。解っては居るが、其れと之とは噺が別だ。之、幹部命令だからな!」

    出た。中也お得意の幹部命令。
    其れ云えば何でも済むと思ってるやつ。

    「そうやって直ぐ幹部命令って云うんだから...ほんと、忠犬。これからは忠也って呼んでやろうかしら」
    「心の声ダダ漏れてる上に発音変わってねえからな、其れ」

    正直、何でもいいのだけれど。

    「次に首領の悪口云ったら組織内にバラすからな」
    「何を?」
    「和葉が太宰に逢ってる事」
    「!?」

    中也の言葉に私の身体から血の気が引く。まるで拳銃を額に突きつけられた様に。

    「安心しろ。この事実を識ってるのは俺だけだ。誰にも話してねえし、話す心算もねえ。.......今ンところはな」

    真逆。太宰くんとの密会を中也に識られていたなんて。──────之はもしかすると

    「中也って、実は私のストーカー?」
    「よし、解った。今から首領に電話して事の顛末全部話してやるから数分待て」
    「嘘嘘!冗談!ごめんなさ.......!」

    携帯の発信釦に手を掛けた中也の腕にしがみついて、行動を阻害しようとしたら
    畳の上と云う事を忘れていた為に、盛大に足を滑らせる。

    後ろ向きに横転した為
    確実にお尻を強打するだろうと考えていたのに.......一向に痛みが走る気配は無い。

    「.......」

    衝撃に備えて伏せていた目を開けると

    「.......何やってんだ、手前は」

    後ろから私を包み込み、呆れ顔で私を見る中也と目が合い途端に身体に熱を帯びた。

    「な、なななな!」
    「いや、落ち着けって」

    これが動揺せずに居られるか!
    ちゅ、中也の.......と、と、整った顔がこんな近くに!!!無理無理無理!!これ以上は羞恥で頭がどうにかなりそう!!

    「和葉、お前顔真っ赤「な、ななな!何でもにゃい!!」.......お、おお?」

    あー駄目だ.......。
    これじゃあ、屹度、いや確実に
    真面にお刺身を味わえない.......
    というより味.......しないかも.......。
    うわあん!折角のお刺身が!
    中也の.......莫迦ぁ!


    「はあ.......最悪...」
    「(何で助けたのに溜め息つかれてんだ?俺)」
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