きょうの料理ほんの、ちょっとした気紛れだ。
部屋で寝てばかりいるのも飽きたので、ふらっと立ち寄った食堂でちょうど食事の支度を始めていたのだ。
メロンを強請ろうかとキッチンへ向かうと、いつもメニューにある食材の下拵えしたものがカウンターいっぱいに並んでいたのだ。
「おや、オベロン。君が料理に興味を示すなんて珍しいな」
「ハァ?別に何でもない、白いのが帰ってきたら今日のメニューを聞かれるだろうからついでの調査だよ」
エミヤが声をかけてきてヴォーティガーンはめんどくさそうな態度で返事する。
「ん」
「?なんだ?」
「ついでって言っただろう。メロンをもらいにきたの」
手を差し出すとエミヤは白々しい態度で首を傾げる。
オレがメロン以外をこの食堂で求めたことがあったか!?わかれよ!
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