高銀 瓶詰のジゴクパロ未満いつまでも、俺たちは正しくあれない。
いつも通りのことだった。
いつも通り銀時が調子に乗っておるサムライ共を馬鹿にして、それに俺が乗っかり、二人して飛びかかってくるそやつらを返り討ちにしたときのことである。背後から突如ブスリと痛みが突き刺さった。気づけば視界は横に倒れ、映るのは雨が降った後の生臭い土ばかり。その向こうで己が宿命の銀(しろがね)が倒れているのが見えた。何か、毒矢か痺れ薬を撃たれたのだろうな。指先の一本までもが動かなかった。なので俺ができることと言ったら、「銀時」とそう名を呼ぶことだけであったのである。なんと弱きこと。なんと情けなきこと。ああ、先生すみません。俺は自分の力量も分からぬ餓鬼なばかりに貴方の大事な小鬼をこんな目に合わせてしまった。すみません。すみません。けれど、銀時へ捧げるこの想いは宗教人の信仰のその崇高さとなんら変わりはしないのです。秋の煌めく朝露のように、洗練として潔白であると、どうかそう信じてください。あの白き神の化身のような小鬼を愛することを、どうか信じてやってほしいのです。浅ましいのは俺ばかり。あいつのことを守れなかった己の弱さばかりをどうかお憎みになってください。
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