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    ふゆふゆ

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    ふゆふゆ

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    本日投げた前日譚の結婚して家を建てる中白🌟🎈の全年齢版にございます
    こちらを読んでからの方が本編をより一層楽しめるかも知れません✋
    後編と最終話もまだ投げていませんが、よろしければこちらもお楽しみ下さいませ!

    君と新たな生活をある日、中山がぽつりと一言。

    「本、増えてきたな…。」
    「本当だね。」

    そんな中山の言葉に白藤が少しだけ苦笑する。
    同棲を始める前に買ったかなり大きめの本棚がほぼ埋まってしまっており、新たに本棚を買うにも部屋が狭くなってしまう為にまた中山がぽつりと一言。

    「家、建てるか。」

    ぱちっと白藤が瞬きを一つ。

    「頃合い的にもそろそろ良いタイミングじゃねぇか?」

    悪戯っぽく笑う中山に少しだけ胸が高鳴りつつ白藤も考える。
    結婚して2年。
    二人とも三十路を迎え、確かにタイミング的には良いかも知れない。

    「うん、分かった。その方向で考えよ?」

    ふわっと微笑んだ白藤に中山も口角を上げて笑い、白藤に口づけた。
    そんな二人にミモザとスミレは小首を傾げたのだった。
    此処から二人は家を建てる為に動き出す。
    夕食後のお茶の時間に一つ一つ洗い出して、相談しながら考えていく。
    立地、予算、おおまかなプラン、そして希望。

    「ミモザとスミレファーストの家がいいな。」
    「だな、あとは趣味部屋である書庫みてぇな部屋は絶対欲しい。」
    「…和室も欲しい、かも。」
    「いいな、あと家事しやすい方が良いだろ?」
    「うん。あとお風呂広い方がいいな。よく一緒に入るし…。」
    「セックスも良くしてるしな?それなら水場が寝室から近い方がいいよな?」
    「もう!司くんのえっち!!それは良いでしょ!?」

    ぷんすこ怒っている白藤に中山はくっくっと喉を鳴らして笑う。
    希望を箇条書きで書き連ねて行き、その中で住宅展示会やモデルハウス見学などをしつつ、次は業者の選定。
    選んだ3社の業者に見積もりを頼み、比較する。

    「こっちの方が安いね。」
    「予算とまあ多少変わるがこっちか?」
    「かなぁ?」

    それも話し合い、一つの業者に決めた。
    そちらで契約を結び、業者と間取り等々の打ち合わせをしつつ、土地探し。
    色々見て回り、海の近くで、図書館も近いこの土地を選んだ。
    今より多少職場が遠くはなるが、通勤時間自体はそうそう変わらないだろう。
    海も変わらず近い。
    住宅ローンの審査も無事に通過して着工に移行。
    その際に近隣にも挨拶を済ませた。
    気の良さそうな家族や同性の夫婦も多く、仲良く出来そうだ。
    それから数ヶ月、全ての検査が済みとなり、完成前の確認の依頼が来たので中山と白藤は完成した家に訪れた。

    「わぁ、凄い!!」
    「だな。」

    目をキラキラさせた白藤に中山も目を細める。
    現場監督たちと内外部の確認をしていく、説明を受けながらこれからの暮らしに想いを馳せたのだった。



    引き渡しされた家への引っ越し準備を始める。
    引っ越しは1ヶ月後となった。
    その間に諸々の手続きをしつつ、日々は式までの時と同じように目まぐるしく過ぎて行く。
    このマンションでの最後の夜、お茶を飲みながら二人は話し合う。

    「ここに棲んで4年、長いようで短かったなぁ…。」
    「俺は社会人になってからずっと此処だったから10年近いな。」

    彼方此方に積まれているダンボールを見て、中山がふっと笑みを溢す。

    「じゃあ24歳ぐらいの時なの?」
    「ああ、入社して一年目は学生の頃に棲んでた安アパートだったからな。」
    「そうなんだ?」

    ぱちっと目を瞬いた白藤に中山はああと頷く。

    「更に言えば、家に付き合ってた奴入れたのって実は類が初めてなんだぞ?同棲もな。」
    「えっ、そうなの!?あ、でも前の司くんなら分かるかも…。」

    じゃないとあんな何も無い部屋に棲めないよね?と言う白藤は初めてこの家に足を踏み入れてからの事を思い出しているようだ。
    そんな白藤に確かそうだったし否定できねぇと中山は苦笑する。

    「でも1人暮らしにしてはこのお部屋広いけど、何でこのお部屋だったの?」
    「まあ見栄もあったからな。」

    きょとんとした顔で見栄?と言う白藤にああと中山は頷く。

    「お袋たちへの見栄。俺はこんなに立派に稼いでるってな。それに俺はまあ最低なクズだったし、今までの相手に何れだけ金使って無かったんだって言われる程度には貯め込んでた。金の使いどころ、本と親への少々の仕送りぐらいしか無かったしな。」
    「そんなに!?」

    ぎょっとした白藤に中山はまた苦笑する。

    「けどまあ勿体ねぇ使い方してたなって今は思うわ。ここ立地も生活動線も悪くねぇけど、生かしきれて無かったしな。」
    「司くん、本当に寝て仕事行く為みたいな感じだったんだね、このお部屋。」

    ぽかんとした顔をした白藤にそれも否定しねぇよと中山はまた苦笑。

    「けど類と結婚前提に付き合い出してからは此処に棲んでて良かったと思ったぞ?」
    「そうなの?」
    「ああ。此処のキッチンそこそこ広ぇし、そのまま類と二人暮らしが出来る充分な広さだろ?それに動物も可だから、こうして、」

    傍で眠っていたスミレとミモザを撫でた中山は続ける。

    「ミモザとスミレも迎えられたしな。」
    「…あ、そっか、」

    ハッとした白藤が目をぱちぱちと瞬き、目を細めた。

    「下手に新しく部屋探さなくても良かったのはデケェよ。」
    「僕が越してくれば良かっただけだもんね。」
    「ああ。あとな、」

    此処から類が料理してる背中見れんの好きだったしな。と中山が目を細めて白藤の頬を撫でた。
    思わず赤くなった白藤に中山は類、可愛いと笑い、キスを一つ。
    そのまま鼻が触れ合う距離で中山は楽しそうに目を細めた。

    「最後に一回だけ思い出作るか?」

    意味を理解した白藤の顔がまた赤くなり、司くんのえっち…と一言。
    だが、中山の首に腕を回して口を開く。

    「けど、良い、よ…?」

    小首を傾げて潤んだ瞳の白藤に笑い、その場に白藤を押し倒した。



    引っ越し当日。
    荷物を全て運び出し、ガランとした部屋を見た二人は顔を見合せる。
    足元にはミモザとスミレが小首を傾げて座っていた。

    「短い間だったけれど、お世話になりました。」
    「俺は長い間世話になった。」

    部屋に向かって頭を下げた二人はミモザとスミレを抱えて、手を繋いで部屋を出る。
    鍵を閉めて、今一度部屋に頭を下げて部屋を後にした。
    エントランスで鍵を返して、車に乗り込む。
    駐車場から出て、一度車を停めた。
    マンションを見上げて、また顔を見合せる。

    「じゃあ、新居に向かうか。」
    「うん。」

    微笑み合い中山は車は発進させたのだった。
    新居に辿り着けば、荷物が運び込まれている最中だ。
    車庫に車を停め、エンジンを切る。
    車から降りて、新居を見上げた二人はまた顔を見合せた。

    「類、これからもよろしくな?」
    「うん、此方こそだよ、司くん。」

    にっと笑う中山に白藤がふわりと微笑み返す。

    「ミモザとスミレもこれからもよろしくね?」

    白藤が2匹の頭を撫でて微笑めば、2匹は返事をするように鳴く。
    そんな2匹を連れて新居へと足を踏み入れた。
    今一度、2匹を取り敢えずゲージに入れて、引っ越し作業を行う。
    全ての荷物が運び込まれ、大型の家電の設置も終えた所で業者が引いていく。
    業者が引ききった後に2匹を出せば、見慣れない家に2匹はキョロキョロと辺りを見回す。

    「ミモザ、スミレ、今日から此処が新しいお家だよ、探検しておいで。」

    白藤の言葉に返事を返すように鳴いた2匹がチョロチョロと動き回りだす。
    そんな2匹の可愛さに中山が喉を鳴らして笑う。

    「けどま、先ずは荷解きしねぇとな?」
    「うん。」

    頷いて、二人は手を動かし出した。
    荷解きも一段落済めば、その頃には既にミモザとスミレは窓の傍で日向ぼっこをして寝ていた。

    「ふふ、2匹とももう寛いでるね。」
    「慣れんの早そうで安心出来るな?」
    「うん、気に入ってくれてたらいいな。」
    「大丈夫だろ。」

    目を細めた白藤に中山も口角だけで笑う。
    そこで中山の腹が鳴り、白藤は吹き出す。

    「今日も司くんのお腹は健康だね?」
    「うっせぇよ。類の飯が美味いから仕方ねぇな。」

    少しだけ拗ねたように唇を尖らせた中山だったがふっと笑った。
    その言葉に白藤ははにかむ。

    「引っ越し蕎麦作るね。その後に挨拶回りしよ。」
    「だな、賛成だ。手伝うことあるか?」

    キッチン側に回り込み、腕まくりをして手を洗い、ナチュラルに手伝うと言ってくれるようになった中山に白藤は目を細める。

    「ふふっ。」
    「ん?何だ?」

    急に笑った白藤に中山が首を傾げる。

    「司くん、もう普通にお料理手伝ってくれるなって思ったの。」

    白藤の言葉に中山はぱちっと瞬きを一つした。

    「料理の才能ねぇから腕は上がんねぇけど、類の隣で簡単な手伝いしてるこの時間が俺は好きだからな。」

    そしてこれからも手伝うからな?と微笑む。

    「ありがと凄く嬉しい。」

    はにかんだ白藤が中山を呼ぶ。
    その声に中山は小首を傾げた。

    「大好き。愛してる。」
    「俺も。」

    ふにゃっと笑った白藤に中山は一瞬目を丸くして、直ぐに目を細め、そのまま白藤にキスをした。
    ぱっと離れたが、今一度見つめ合い目を閉じて唇を此方に向けた白藤にもう一度触れるだけのキスをして、蕎麦を作る準備を始めた。
    ミモザとスミレにも引っ越し蕎麦を食べさせて、洗剤を持って近所に挨拶回り。
    挨拶回りを終えて、残りの荷解きをしていく。
    全ての荷解きが終われば日も暮れており、夕日が綺麗だ。

    「ね、司くんちょっとミモザとスミレ連れて散歩しない?」
    「良いな。」

    白藤が小首を傾げ、それに同意した中山は寝ていた2匹に声を掛けた。
    2匹にハーネスをつけて、家を出て歩き出す。
    2匹は見慣れない景色にやはり物珍しそうにキョロキョロ。

    「やっぱり前の家が海の近くだったから、海の近くだと何か安心する。」

    海沿いの道を歩きながら白藤は目を細める。

    「だな、ミモザとスミレも嬉しそうだしな。」
    「わふっ!」
    「にゃあ!」

    嬉しい!と返事をするように鳴いた2匹に中山も目を細めた。
    くすくす笑いながらそうだねと白藤も頷いた。
    他愛のない話をしながら、街を散策する。
    時間も時間なので喫茶店や小さい本屋、パン屋、花屋、雑貨屋他にも色々店はあるが全て閉まってしまっている。

    「今日中に荷解きが終わらなかったらっつーことで類も余分に休み取ってんだし、明日はデートしながらゆっくり散策してみような。」
    「うん、そうだね。ふふっ、楽しみ。」

    はにかんだ白藤がとても可愛い。

    (本当に愛しいな。可愛い。)

    その気持ちが湧いて、中山は白藤の腰に手を回して、頬にキスを一つ。
    頬に触れた柔らかな感触に白藤が思わず赤くなり、少しだけ唇を尖らせた。

    「もー、此処外なのに。」
    「悪い、類が可愛すぎてキスしたくなった。」

    悪びれずに言いきった中山はそのまま白藤の耳元で甘く囁く。

    「夜、良いか?」
    「…司くんのえっち。」

    赤い顔のままぷくっと頬を膨らませた白藤だったが、中山の耳元に口を寄せて甘えた猫なで声で囁き返した。

    「でも…、しても、いいよ?」

    そんな声に中山が白藤の顔を改めて見れば恥じらいと期待の入り交じった上目遣い。
    琥珀の瞳がうるうると潤んで中山を見ていた。

    (何でこう年々可愛くなるんだろうな、類は。)

    思わず抱き締めて呟く。

    「類、お前本当に可愛すぎ。」
    「…司くんにはずっと可愛いって思われたい、な?」
    「爺さんになっても?」
    「ふふふっ、さすがにそこまでは思ってないけど。」

    中山が問えば、白藤はくすくすと笑う。

    (けど多分俺は爺になっても類を可愛いって思ってんだろうな。なら俺もずっと格好いいって思われるようになりてぇな…。)

    そんな事をぼんやりと考える中山だったが、白藤の言葉に目を細めた。

    「けどずっと司くんと一緒に居たい、な。」
    「もちろんずっと一緒に居る。死が二人を別つ時までって奴だ。」
    「うん。…それに来世も僕を司くんのお嫁さんにしてくれるんでしょう?」
    「するに決まってんだろ。」

    おずおずとした甘えた声の白藤にきっぱりと言いきり、再度むぎゅっと抱き締める。

    「ふふ、嬉しい。」

    白藤の華奢な腕が背中に回った。
    背中に回った腕に中山は思わずニヤけてしまったのだった。



    夜。
    夕食を食べてから、今一度部屋の整理と不足分の確認のために部屋を順番に見ていく。
    ミモザとスミレも後をちょこちょことついてきている。

    「ミモザもスミレも床、歩きやすそうだな?」
    「うん、滑らないしね、やっぱりこの床にして良かったね。」

    頷いた白藤にだなと中山も笑った。
    先ずは和室を覗いた2人と2匹はい草の香りに頬を緩める。

    「やっぱりい草の匂い良いよね。」
    「ほっとする何かはあるよな。」

    ミモザとスミレが和室に入ってゴロゴロと転がる姿に笑みがこぼれる。

    「…和室にこたつ欲しいかも。」
    「それ良いな。」
    「冬此処で過ごすことになるね?」
    「なら此処にも小さいテレビ買うか?それにまあ客室代わりにもするしな。」

    じゃあ和室にこたつとテレビ、客用の布団と白藤がメモをする。

    「じゃあ次。」

    1.5階建ての平屋にした為に次は二階の趣味部屋。
    因みに2匹にも上がりやすい仕様で階段の高さも控え目にした、スミレはキャットウォークからも上がれるようにもしたのは余談になる。

    「書庫、ちょっと殺風景だよね。」
    「だな。まあラグとかもう少しだけ寛ぎながら本読めるようにしてぇよな。あと此処にもレコーダーとかテレビ置いても良いかも知れねぇ。」
    「此処でも映画とか見るかも知れないもんね。」

    白藤の言葉に中山が頷く。
    なら此処はラグ、クッション、小さい机とかだねと白藤がこれもメモ。
    そして次は隣のキャットルームだ。
    キャットルームと言っても、ミモザの玩具等々も置き、2匹のゲージも此処なので正確に言えばペットルームになる。
    だが此方に越してきたら決めていた事がある、基本的には2匹を自由にさせること。

    『もうね、新しいお家に引っ越したら基本的にはミモザとスミレを自由にさせてあげてもいいんじゃないかなって。』
    『良いと思うぞ。ミモザもスミレも賢いし、何も悪さしねぇだろ。脱走もよっぽどの事がねぇとしねぇけど、リビングダイニングと玄関は完全に隔てる予定だしな。』

    キャットウォークや2匹のトイレや水飲み場などは作ってあるが、タワー等々がまだ無い為にまだこちらも殺風景な印象がある。

    「此処ももうちょっと充実させてあげたいね。ベッドとかも増やしてあげたいよね。」
    「だな、まあちょっとずつな。」

    スミレは早速キャットウォークを使って遊んでいたが、上に行ってしまったスミレにミモザが悲しそうな顔をしている。
    スミレはそんなミモザに気付いているのかいないのか、キャットウォークを行ったり来たり、因みにキャットウォークは隣の書庫にも続いているので、スミレは随分と楽しそうだ。
    更に因むとミモザとスミレが部屋の通り抜けが自在に出来るように彼方此方がトンネルのようになっている。それは上も下も適応済みだ。
    あと二階にあるのはトイレのみなので、そこはスルー。
    再度下へ降りて、今度は勝手口から出れる庭兼ドッグラン。
    それに目を輝かせたミモザが駆け出して、それにふっと笑みを溢す。

    「此処に物干しも置きたいな。」
    「一応ランドリールームの方にも乾燥機と干すとこ作ってるけどな。」

    そうなんだけど、やっぱり休みの日とかは外に干したいなと言う白藤にまあ陽当たりも悪くねぇしなと中山が微笑んだ。

    「ならこれも!」

    そういって白藤がメモをする。

    「お庭でバーベキューとかも良いね。あとガーデンテーブルとかあったら外でも本読めるね。」
    「そうだな、楽しそうだ。テーブルも後々買おうな。」

    中山が目を細めて言った言葉に白藤は頷く。

    「ミモザ、戻っておいで!」
    「わふっ!」

    返事をして、此方に戻ってきたミモザを中に入れて、ドアを閉める。
    そして次は寝室。洗面所、ランドリールームを順番に確認して切れている洗剤などを洗い出す。

    「これ、明日は1日買い物かもね。」
    「ま、それも良いんじゃねぇ?丸々1日デートにしよう。」
    「ふふ、うん、そうだね。」

    そしてダイニングへと戻ってきた。

    「お茶にしよ、司くん。」
    「ああ、賛成だ。」

    頷いた中山に白藤がまたキッチンへ。
    ケトルのスイッチを入れて茶の準備。

    「な、類。」
    「ん?なぁに?」
    「今日、一緒に風呂入らねぇ?」

    名前を呼ばれて小首を傾げた白藤に一言告げれば、一瞬で顔を真っ赤にした。

    「…これ、お風呂入ってそのままえっちでしょ?」

    じとっとした目をした白藤に楽しそうに目を細めた中山が小首を傾げて甘えたように問いかける。

    「駄目か?」
    「…もー、司くん本当にえっち。お昼にいいよって僕も言ったけども、」
    「だって、なぁ?その為の動線にしたろ?」

    風呂から寝室は洗面所を挟んで一直線だ。
    勿論個々にドアはあるのだが、多分客が居ない時は開けっ放しになる事だろう。

    「なら、試してみねぇと。」

    な?と楽しそうな中山に白藤はやっぱりえっち!と文句を言って、そんな白藤に中山は喉を鳴らして笑ったのだった。
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