これは運命の悪戯か。はたまた必然か。
「トウヤ…?」
「っそ、うか、そう、だったんだな…。アキトは、そちら側だったんだな。」
唖然とするアキトと一瞬目を丸くした後、悲しそうに目を伏せたトウヤ。
「ごめんね、ツカサくん。騙すつもりはなかったんだ…。」
「嘘だろう!?嘘だと言ってくれルイ!!!」
今にも泣き出しそうな顔をして笑うルイと悲痛に叫ぶはツカサ。
これは運命の歯車によって出会い、そして別れた二組の話。
アキトとトウヤの場合
出逢いは突然に訪れる。
その日、休暇を貰っていたアキトが偶然にも街外れの森まで来てしまったのには理由があった。
日課の鍛練の途中。子どもが森を見て泣いていた。
「どうした?」
素通りも出来ずに子どもに話し掛けたアキトに子どもはペットの猫が森に入ってしまったとのことで。
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