いったいどうすればいいんだ。
ホテルを出たところで風信は深いため息をついた。その肩には、可愛いコーパイの重みがずっしりと乗っている。
完全にもらい事故という状況に巻き込まれた風信をよそに、事故を起こした本人は、酔いがまわって気持ちよく寝落ちた。なんとか完全に寝てしまってはいないらしく、お開きになって会場を後にする時には、風信が肩を貸せば一応自分の足で歩いてはくれたが、一人で電車で帰るのは到底無理だろう。タクシーに突っ込もうかと思ったが、ホテル前のタクシーの列は長く、上司の面々が済むまでにまだ随分かかりそうだった。
まあそれでも待つほかないか、と歩き出したところで、肩から声がした。「きちょう……」
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