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    #fengqing

    noa/ノア

    DONE[FengQing]初書き天官賜福&风情。6月に思いついたので、初書き冒頭でいきなりプロポーズしてしまいました。
    この世界の設定がまだよくわかっていないので、いろいろ捏造しているかもしれません。

    ※風信の過去に一瞬触れますがそれほどネタバレはないと思います
    契り「なぁ……慕情」
     重たい瞼を持ち上げ、絞り出すように名前を呼ぶ声も、目の前のその顔を向けさせることはできない。だが、次の言葉は違った。
    「……結婚してくれ」
     思わず顔を上げた慕情は、まるで風信の顔から妖魔が現れたかのように、ぎょっとした顔で見つめた。しばし静止したのち、やっと口を開く。
    「この程度の傷で正気失うなんて無様すぎるぞ」
    「正気を失ってなどいない」
     どこまでも真剣な顔で風信は答えた。
     さっきまでの戦闘が嘘のように、あたりは静まり返っている。
     簡単な任務のはずだった。
     二体の妖魔の討伐。等級からいって、一人一体ずつ片付ければ良いだろうと二手に別れた。風信が相手にした方は多少すばしっこかったが、相手の急所を素早く見抜き、寸分たがわず命中させた矢で妖魔は雲散霧消した。だが、拍子抜けしたような気分で慕情の方を見に行こうかと思ったその途端、突然目の前に、倒したはずの妖魔が再び現れたのだ。
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