ブランケットパーティーシャドーカービィから、今日の夕方に恋人の毛布を持って遊びにおいでよ。と誘われた。
どうやらパジャマパーティーならぬブランケットパーティーをしようという事らしい。
ボクの家に置いてある(っていうかメタナイトが置いていった)毛布を持ってシャドーカービィのお家のドアをノックする。
コンコンコン
「シャドー、来たよ~。」
少ししてバタバタと言う足音が聞こえた後、ガチャという音と同時にシャドーが顔を出した。
「カービィ、来てくれてありがとう!」
「今日は誘ってくれてありがとう、シャドー。毛布とお菓子、持ってきたよ。」
「わあぁ♪ぼくのお気に入りのお菓子だぁ。ありがとう、カービィ。どうぞ中に入って。」
うきうきしながら中に入る。いつ見ても素敵なお家だなぁ。
シャドーはキレイ好きでいつもお部屋をキレイにしている。
シャドー曰く「ダーク様がキレイ好きなんだよね。ぼくも掃除は苦にならないし、普通だよ。」だって。ダーク、キレイ好きなんだ…。
…あれ…?そういえば、ダークはどこにいるんだろう…。
「ねぇ、ダークは今日どうしたの?」
「えっとね。ダーク様は今日はきみの彼氏と、あっちの大王様と一緒にデデデ城に飲みに行くって言ってたよ。カービィ、聞いてなかったの?」
えっ?聞いてないよ…?
「うぇっ?」
「あはは。多分カービィの食事の心配をしてるか、ぼく達には話せない大人な話でもするんだろうね。」
メタがボクに隠し事だなんて何だか気に入らないけれど、ボクもシャドーにしか話せない内容もあるからお互い様かな。
「それに…ぼくもカービィに色々とお話ししたり相談したいことあるから…2人っきりで良かったよ。…でも、ぼくがそう思ってるのはダーク様には内緒だよ?」
「もちろんだよ。実はボクも同じこと思ってたんだ。ダークに邪魔されずにシャドーと色んな話したいもん!」
「ふふふ…ありがと。」
そんな感じで話をしながら、シャドーが用意してくれた部屋にお邪魔する。
「…ごめんね。ぼくの部屋じゃなくって。俺以外の奴を入れるなってダーク様がうるさくって…。」
シャドー、愛されてるなぁ。多分2人の寝室になってるんだろうな。ボクがもしシャドーの彼氏だったら同じことするもん。
「ううん、気にしないで!シャドーのプライベートもあるんだもん。それにここの部屋もかなり素敵だし!」
実際に通してもらった部屋も言った通り素敵な部屋だ。ふわふわのお星さまのラグに細かい星が散りばめられたカーテン、柔らかい色の壁紙やシンプルなテーブルがモデルルームの様に綺麗にコーディネートされている。
「えへへ、ありがとう。ぼく、ここでカービィと話し合うのが夢だったんだ。」
かわいい、かわいいよシャドー!!ダークの彼女にするには勿体ないよ…。
そんなことを考えていると、時間をもて余してると思ったのかシャドーが動き出した。
「あっ、ぼく飲み物を入れてくるね。紅茶にしようと思うんだけど良いかな?」
「うんっ!ボク紅茶大好き!!」
「わかった。カービィは持ってくるまで部屋の中で好きにしててね。」
そう言うとシャドーはキッチンに向かっていった。
「いいなぁ…シャドーは…何でもできて、しかもボクみたいにガサツじゃなくて……しかもかわいいし……。」
ボクの影なのにこうも違うなんて…メタもボクよりシャドーの方がお似合いだよなぁ…。
そう思いながらラグを撫でていると
「お待たせ。紅茶とお砂糖持ってきたよ。」
と言いながらトレイにティーセットと砂糖の入った器をのせてシャドーが戻ってきた。「わぁ!ありがとう。シャドー。ボクもお菓子の準備をするね。」
「うん、嬉しいなぁ。ありがとう、カービィ。」
それからはブランケットにくるまって、お菓子と紅茶を囲みながら他愛もない話をした。最近の鏡の国はどうだとか、プププランドで最近あった話とか…。
「そういえば、カービィ。メタナイトの事どのくらい好きなの?」
「ふわわあぁっ!な、何なの急に!」
突然のシャドーの質問にびっくりして紅茶を吹き出しそうになってしまった。
「君とメタナイト、凄くお似合いだからさ…お互い強いし、2人とも芯が通ってるし……何て言うか…安心して背中を任せられるパートナーっていうか……凄く…羨ましいな。」
ボクと…メタが羨ましい…!?
「そ、そんなことないよ!!シャドーだってダークとお似合いだよ!!思いやりがあって色んな事ができる優しいシャドーに、その素敵なシャドーの幸せな生活を護りたいって思って色々としてくれるダークの関係も凄くいいじゃない。ボクだったら君と同じようにメタを待つことは…できないよ!」
「…嬉しいなぁ。カービィ、ありがとう。ぼく、今まで褒められること少なかったから…凄く嬉しい。」
にこっと笑いながら紅茶をちびちびと飲むシャドー、照れてるのか少し顔が赤い。
そんな状況に少しドキっとしながら
「えっと…ボクがメタのことどれくらい好きかって?」話を変えて気持ちを誤魔化すことにした。
同性から見てもシャドーはやっぱかわいい。ちょっとダークが羨ましいな。
「うん。ぼく、聞きたいの。もちろんぼくの事も後でちゃんと話すから。」
うん、シャドーの話はボクも聞きたい。ならちゃんとボクも話しなきゃね。
「ボク、メタの事がどのくらい好きかって?そりゃあ、ポップスター1だよ。」
「ふふっ、言うと思った。君らしくて素敵だね。」
にこにこ笑うシャドー。
その姿を見たカービィは気分が良くなり話を続ける。
「だって剣も強いし頭も良いし、凄く優しくて、でもクールだし、それに……」
「うん、うん。」
「ボクにしか見せない素顔が…かわいいし…カッコいいんだもん…。」
「ひゃぁ~!」
2人して顔を隠しながら悶える。
「そういうシャドーはどうなのさ?」
顔にあてた手をずらしながらカービィがシャドーに質問をする。
「ぼ、ぼくは…」
シャドーは凄く顔を赤くして
「ダーク様は…ダーク様は口は悪いですがその裏には愛がこもってて素敵ですし……ぼくが困っているときはすぐに駆けつけてくれるし……えっと…剣を使って戦う姿も凄くかっこいいし……。」
そう言っているシャドーの頭からたくさんの湯気が出ている。このままでは気絶してしまいそうだ。
「も、もう大丈夫だよ、シャドー!!このままじゃシャドーがのぼせて倒れちゃう!!」
「へへ…ごめんね……。でも…これだけは言いたいです…。」
「これだけ?なぁに?教えて。」
「……実は……ダーク様の素顔も…素敵で…かわいいんですよ。」
照れながら最上級の恋人自慢をするシャドーに感化され、カービィの顔も真っ赤になる。
「へへ…カービィも…かわいい…顔…まっかです。」
「えっ、ええっ?ボクが…かわいい!?」
「カービィは、ずっと格好良くてかわいいですよ。ぼくの憧れですから。」
「ボ、ボクだってシャドーのことかわいくて憧れてるんだから!!」
それからもお互いを褒めあっている間にさっきの恥ずかしさがどこかへ消えてしまったようだ。そうこうしている内にカービィは1つ気になったことを思い出し、シャドーに質問する。
「…そういえば今日持ってきてって言われた毛布、何でボクのじゃなくてメタのなの…?」
シャドーはびくっ!と反応しながら
「だって……だって居ない時でも…恋人の香りや温もりを感じていたいじゃないですかぁ…。」と照れ臭そうに答えた。
あぁ、これはまだまだ話足りないことがあるなぁと思いつつ、シャドーが言った通りにブランケットをぎゅっと握りしめ、メタの匂いと温もりをボクは感じることにした。