ちょっと前に見た夢の話 気がつくと全く知らない家に居た。自分はその家の住人で、夜に親戚を集めた食事会をするから家の中を掃除してた。
家の中は廊下や壁棚がたくさんあって、和風建築と洋風建築が混ざった変な家だった。
壁棚の掃除をしていると、人間の上半身と蛇の尾がくっついた変な生き物が居て、こちらに向かってボソボソと小声で喋っていた。なんとか耳を澄ませて聞いてみると、「何本がいい?何本にする?」と、コチラに問うているようだった。何の本数が分からなかったが、とりあえず「10本が良い。」と答えた。蛇みたいな生き物は、「そうか。そうか。10本もくれるのか。」と嬉しそうにし、「夜に娘たちに取りにこさせよう。」と言って何処かに行ってしまった。
何の話かも分からず掃除を再開していると、夜に近づくに連れて得も言われぬ恐怖が襲ってきた。とてつもなく不安になった。
まだあの蛇みたいな生き物は家の中に居るだろうか、居るのなら何の本数かだけでも聞きたいと思い、家中を探し回った。
探し回った末、クローゼットのような中に置かれた古い段ボール箱から白い猫のような生き物が出てきた。この生き物なら助けてくれるような気がして、蛇みたいな生き物とのやり取りを話し、夜に何が起こるのかを聞いた。
白い猫のような生き物は、「そりゃ、蛇みたいな生き物じゃなくて蛇だよ。蛇に娘が10匹生まれたからその祝の品にお前さんの指を取りに来るのさ。それぞれに指を一本ずつ渡さにゃならん。」と言って毛繕いをしていた。
どうすれば回避できるかを問えば、「まぁ、指を10本渡すか、代わりになるような何かを10本数渡しゃあ良いんでないの?」と言って立ち去ってしまった。
悩んでいるうちに夜になった。戸を叩く音がする。「もし。もし。祝を受けに来ました。もし。もし。」と甲高い娘の声がする。
あぁ、とうとう来たか。そう思った私は、近くにあった先の平たい火箸を持って、一枚板のローテーブルに乗った。
蛇の娘たちは戸の隙間から入ってきた。「もし。もし。祝を受けに来ました。」と言いながら私のもとへ這ってくる。娘たちは頭のエラが異様に出張った蛇だった。
一匹ずつ私の乗るローテーブルに登ってくるので、私は恐れながらも火箸で首をちょん切っていった。
10匹全部の首を切ると、私は蛇の頭を鉄板で焼き食事会に集まった親戚にそれを振る舞い、蛇の胴10本を束にして縄で縛り、娘たちが祝の品を受け取れたか確認しに来たあの蛇みたいな生き物にくれてやった。蛇みたいな生き物は祝の品が娘たちであると気付かずに持って帰った。
玄関を閉めると外では何かの悲鳴が聞こえた気がした。そこで目が覚めた。