朝焼けの日の光を背にした貴方を見るのが怖い
今、目の前にいる貴方はあの時の貴方とは違うと分かっていてもどうしようもなく、怖いのだ。
相当情けない顔をしていたのだろう。
眉尻を下げ、困った様な顔をしながら大きな手でそっと頬を包み込まれる。
「そんな悲しそうな顔をしないでくれ、炭治郎。」
優しい声音で俺の名を呼ぶ。
あの時、あの時代に聞く事の出来なかった音。
あの時、触れる事の出来なかった体温が、今はこんなにもそばで感じられる。
「煉獄さん...」
今にも消え入りそうな声で愛しい人の名前を呼ぶ。
「なんだ?...竈門少年、」
貴方が名前を呼んでくれる
「っ...!煉獄さん...!煉獄さん...!!」
情けない顔を通り越して顔は涙でぐちゃぐちゃだ。
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