繫がるまでの話と小話午後22時すぎ、コンビニバイトが終わり帰りに買ってきたスーパーで半額となった惣菜を食べながらゲームPC を立ち上げる。そして、最近流行っているSPFゲームにログインをする。元々FPS系のゲームをやっていたこともあり、ゲーム性も面白く好きではあるが最近はある人と一緒にゲームをすることが目的となりつつもある。
「あ、きたきた。やっぱりこの時間にいるってことは学生なのかな。うーん、聞いてみたいんだけどなぁー」
そう、最近このゲームをやり込んでいる理由の一番である、Rv_Yuki_1000さんというユーザー名の人とマッチしたのだ。Yukiさんは初めてFPSゲームを始めたのかなって感じだけど、日に日にできることは増えてるし何より奇想天外な行動するから面白い。この時間にマッチすることが多いから俺も合わせてその時間にするようになった。何度か同じチームでマッチしたことがあるし話してみたいんだけど、なかなか踏ん切りがつかずに今日もカジュアルマッチをしている。
「あ、やった!」
俺は、上手く敵の攻撃をかわし、相手に確キルを入れ形勢を立て直した。
"kimi umaine"
「え?うそ、」
「キミ上手いね」とYukiさんからゲーム内チャットで送られてきた。驚いた俺は、チャットで返せばいいものをなぜかゲーム内VCをオンにして
「ありがとうございます!』
と言ってしまった。
"koe douyaruno"
とチャットがきた。
「ボイチャですか?」
"sou."
と返ってきたので、設定のやり方を教えた。
しばらくして、
「あーあー、もしもし?聞こえる?」
とYukiさんも通話できるようになった。
「初めまして!いつもありがとうございます」
と挨拶をした。正直、久しぶりにゲーム内VCを使ったのもあって緊張していた。
「いや、こちらこそ助けてもらってばっかりですまないね。」
ずっと大学生ぐらいかと思っていたが、声は落ち着いていて艶のある大人の声って感じだった。
「Yukiさんはランク回されてるんですか?」
と質問してみると、
「いいや、見ての通りあまり上手くないからラビットⅣ以上に行けないからやめてしまったよ」
と言って笑っていた。
「そうなんですか!俺でよければやり方とか教えるんで一緒にランク回しません?」
正直、俺は舞い上がっていたのかもしれない。一緒にゲームがしたいがためにそんなことを言ってしまった。
「本当かい!それは嬉しいな。君がよければ、」
「はい!ぜひ、もうすぐ新シーズン始まるのでテッペン目指しましょう!」
「え、、あぁ、そういえばキミすごく上手いけど、ランクはどこなの?」
少し動揺したような声も聞こえた気がするけれど、一緒にしてくれるみたいで俺はめっちゃ嬉しかった。
「俺ですか?ライオンです。最近はカジュアルばっかりですけど」
と笑った。
「へぇー、すごいね」
感心したように呟いた声が聞こえてきた。
「あ!くっそー、漁夫されたー ナイファイYukiさん!フレンド申請させてもらいます!」
そういうとリザルト画面に移り変わりゲーム内VCも切れた。
こうして俺たち二人は毎晩のようにゲームをし、日本一の称号を手に入れるのであった。
〜もっといいのないの?〜
Yukiさんと繋がってから何試合かしていると突然Yukiさんが
「ねえ、通話してると動きが良くなくて思ってもいないところ行くんだけど」
と呆れたような声でゲーム内VCで言い始めた。
思ってもいないところに行くのはそれが理由だとは俺は思わないけど、
「あー、まあゲームについているので通話してるとあんまり動きは良くないですよ。○○ってアプリ入れてたりします?」
「いや、知らないな」
「これ、ゲームやりながら通話してもゲームとかに支障出にくいんでおすすめです!」
「モモくんもダウンロードしているのかい?」
「はいっ!友達とかとゲームやる時に使うんで」
「ふーん、」
とYukiさんはいうと少しの間ゲーム内にいるキャラクターが止まっていた。何をしているのだろうと思うと、
「ねえ、これどうやって追加するの?」
と聞いてきた。どうやら教えたアプリを入れてくれたみたいだ。早速、繋がってみると
「もしもし、聞こえる?モモ?」
いきなり呼び捨てにされたことにドキドキしてしまい反応が遅れた。
「え?聞こえてない?」
「はい!!聞こえてます。ユキさん」
「そう、よかった。これで僕達友達だね。モモも呼び捨てでいいし、タメ口でいいよ。よろしく」
「ひぇっ、ユキさ、ん、よろしくね?」
〜キーマウかpadか〜
カチッ、カチカチ、カチッ、カチカチカチ
「ねえ、モモ、ずっと気になってたんだけど、カチカチ聞こえるのなに?」
ユキさん、いや、ユキとゲームを一緒にするようになって2、3日が経った。
「あっ、多分キーボードとマウスのカーソル音だと思う、うるさいかな?」
「いや、うるさくはないけど、なんでキーボードとマウス使うの?」
「パソコンでやってるし今までもキーマウだったから、ユキもしかしてpad」
「padってなに?普通のコントローラーでやってるけど、」
「あー、家庭用ゲーム機に繋いでやってる?」
「そう。」
「今ユキが使ってるのがpadで、俺的にはpadの方がおすすめ。あ、でもpadにした方がユキに伝わりやすそうだから変えよっと」
そういうと俺は片付けてあったコントローラーを取り出し繋いだ。