流れに沿った先は とある無名惑星の大地にある、纏わりつくような湿気で充満している洞窟。壁や地面に天井等上下左右が荒く、均等でない岩で造られている。この空間に、一定の間隔で鈍く大きな足音が鳴り響いている。足音の持ち主は、大型の異形のモンスターだ。獲物と思わしき存在を探しているのか、時折低い唸り声を出す。その声にかき消されるように、小さくも間隔の短い呼吸が二つ紛れている。
「サいっこうに気持ち悪い洞窟だな……こんな所にスむなんて絶対に嫌でス」
間隔が短く小さな二つの呼吸の内の一つは、宇宙防衛軍のキャプテンであるダック・ドジャースのものだ。湿度の高い空間の暑苦しさに参っているのか、愚痴を零し汗を流しながら岩の壁にもたれかかっている。
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