「ねえ、シャドー」
何気なく隣に座っている機体に向けて声をかける。正直に言うと、ここから先の言葉は何も考えていない。とにかく退屈しのぎがしたかった。
「なんでござろうか、タップ殿」
彼も退屈だったようで、すぐに返事がくる。呼んだだけーと返そうとしたが、前々から気になっていたことを思い出す。
(シャドーはどうしてここに来たんだろう)
今までお互い仕事が忙しく、話す機会もなかった。シャドーの方から話すこともなかった。でも、今のこの退屈な時間が流れるだけなら。そう思うと聞く勇気が出てきた。
「シャドーってさ、宇宙から来たんでしょ?どうしてこう…こんなとこに住もうと思ったの?」
あまり言いたくはないが、サーズ基地は万年金欠な上、周りに特別綺麗な景色だって無い。…考えれば考えるほどシャドーがここに来た理由が分からない。