弱気なあなた弱気なあなた
昨日から体調を崩し、自室で療養しているこの方に付き添い、看病をしているのだが。
同派の方達は自分の弟達と遊んで、そのまま泊まるので代わりに様子を見ていて、と言っていたので仰せつかり、来派部屋へと来ている。
しかし、赤く火照った顔に伝う汗などもあり非常に煽情的に見えてしまい、
気まずさが増している。
このような事を考えてる暇があるなら
なにが食べるものなど作れるだろうに
そもそもなにか食べられるだろうか?
とりあえず厨にいるだろうと思われる方々に聞いて、なにか作って持ってこよう。
起きているかはわからないがとりあえず声かけはしておこうと思い、口を開く。
「明石殿、少し、席を外しますね。すぐ
帰ってきますので」
「……や」
「はい?」
「いやや」
「起きてらっしゃいましたか。飲み物も
無くなりましたし、なにか腹に入れ
ねば薬研が作ってくれた薬も飲めま
せんので…」
「あとでええ…」
「いや、しかし」
「ちょっとぐらいおっても変わらん
やろ?」
「それはそうですが…」
「ほなおって」
そう言って満足したのかまた眠りについてしまった。
私の服の裾を摘んで。
摘まれてしまっては動けないので布団の横に座り、大人しくしていよう。今晩は弟達と一緒入れないのは心苦しいが、この方をほっておくには、私自身が辛い。
「なぁ」
「お、起きてたんですか!」
「寝てへんよ」
「そうでしたか。どうされました?」
「こっちきい」
「…は?」
「寒いんや、一緒に寝まひょ、一期はん」
「え…と」
「なぁんもせぇへん」
「いや、それはそうでしょうね?!」
「ええけん、おいで」
「…今回だけですよ…」
「まんざらでもないやろ」
「私はただ」
「それに、あんだけみられたら気づき
ますわ」
「えっ」
「情熱な目線、向けてたやろ?」
「そ、そんなことは…!」
「あるやろ?」
「…」
布団の中に招き入れられ、湯たんぽの
ように抱きしめられたと思えば私の目線に気づかれていた事を言われ、顔が赤くなってしまう。密着していることによっていつもより高い体温を感じられ、余計な事を考えてしまう。
「あかんわ、一期はん」
「へ?」
「大人しく喰われとき」