旬最進捗多忙な最上がもぎ取ったオフの日。旬と最上は2人でソファに沈み込んでいた。2人の間にゆったりとした時間が流れる。そこに、静寂を割るように旬が口を開いた。
「最上さん、海に行きましょう」
「…はい?」
旬の突然の提案に最上は呆けた声を出した。
「…どういうことですか?」
「言葉の通りに今から海に行こうって話です」
旬がきらきらとした顔で最上を見上げる。最上はぐっと息を詰まらせた。
少しの間視線を彷徨わせていたが、小さく息をついて最上は降参の意を唱えた。年下の可愛い恋人には甘いのだ。
そうと決まれば早速二人は動きだす。衣擦れの音だけが響いた部屋に、鮮やかな色が湧き上がる。旬が着替えていると、最上の涼やかな声が広がった。
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