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    かんな

    考察や共作のプロット、pixivにはおけないようなものを置いています。
    健全からR18までごった煮です。
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    かんな

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    創作のための考察
    本当にすみません、少し思うところあって
    ロスフラのベナウィとヴライ

    破鏡不照小さな墓標の前には、幾許かの花が供えられていた。
    穏やかな風がその花弁を揺らし、そこに立つ者の黒髪を、紺の外套を揺らしている。
    雨の上がった後の、透き通った水の匂いが辺りに漂う日和の午後。
    立ち尽くすベナウィに近づく足音が、彼を振り返らせた。
    「……貴方でしたか」
    「ここで何をしている」
    「花を、」
    ベナウィは声をかけてきたヴライに言いかけ、目線を落とした。言葉通り、墓標の前には花が置かれているのが見える。
    「汝を呼んでこいと言われた」
    「……そうですか」
    そう言ったきり、無言の時が続く。
    まだ乾ききっていない地から、水の気配がうつろいその身にまとわりつく。まるで、見えない呪いのように。
    先に口を開いたのは、ベナウィだった。
    「……私の隊での、初めての死者でした」
    「戦で死ぬなど当たり前のことだ」
    「ええ、そうです。戦に出るのなら、死とは隣り合わせです。ですが……」
    「それがなんだというのだ」
    湿った風が、二人の間を割くように緩やかに通りぬける。
    「──破鏡重ねて照らさず、落花枝に上り難し。……失ったものは二度と返りません。ただ、それだけです。死者を悼むことは、その人のためにすることです。……元いた場所では、それすらも許されなかったので」
    「……くだらんな」
    「そうですね」
    その言葉にベナウィは再び振り向き、佇むヴライを見上げた。
    土の香る空気が、不快に鼻腔を刺激する。
    ひどく冷たく、それなのにひとところに澱む嫌な水の気配。
    その中で暗く濁った緑の瞳が、ヴライをじっと見つめている。

    ──戦場にいる時とはまるで違う、ひどく頼りない、虚ろな影
    この手で掴んだら、すぐにでも崩れてしまいそうなのに

    「貴方の言うことは正しい。何も間違ってはいません。失われる度に心を痛めるなど、馬鹿馬鹿しい」

    彼の強ばった声に、ヴライはわけもなく苛立ちを覚えた。
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