治して！ユリウス先生！前略 勃起不全でした

（た、確かにこっちに来てから自分で抜いた記憶がない…… えっと確かストレスでなるとかかんとか…… んなこと言ったら正直心当たりありすぎるだろ……

スバル……
ぇ、あ……わりぃ…なんか俺、不能かも？な、なーんちゃって？？
スバル

君のこれはいつからなんだ？自覚症状は？
いやいや、なに真面目な顔してんだよ わ、笑えって
笑える訳がないだろう 人に心配をかけまいと茶化すのは君の悪癖だ
う…… い、いつからかは正直わかんねぇ… 俺も今気づいたっつーか…
今……？
こ、ここ最近は忙しくてそういうこともしてこなかったし、まさかこんなことになってるとは思わねぇだろ？普通
そうか……
あ、でも俺のことは気にすんなよな？！ほ、ほら！入れるのはお前だろ？？ し、尻の方は問題ないから！な？！

今日何度目になるかわからない、クラージィからのまじまじとした視線を受けて、「もういいだろう」とノースディンは軽く目を逸らした。だがクラージィは目を合わせていたわけではなく口元を見ていたので、ノースディンの反応を気にしていない。変わらぬ視線を感じる。
「もしわたしが直毛で現れたら、お前はずっと気にするだろう。それと同じようなものだ」
それを言われたらノースディンは相手の態度を拒絶できない。

今日のノースディンには、口髭がなかった。

稀に思い出したように、髭のない顔がどうなのかと雑談で出されてはいた。それをこちらもふと思い出した折、ほんの気まぐれで髭を落として来訪を迎えてみたのだが、当然というか、彼の視線はノースディンの顔にずっと釘付けだった。

　七夕には願い事が叶う。
　――なんてそんなこと、誰が言ったのだろう。

　七月七日。今日の天気は晴れ。
　猛暑日となるので熱中症に注意。場所によっては天の川が見れるでしょう、なんて天気予報のキャスターがにこやかに言っていた。
　いつもの通りトーストを焼き、半熟加減のベーコンエッグを作り、昨日のうちに仕込んでおいたアイスコーヒーをグラスに注ぐ。もうすぐトーストも焼き上がろうかという時間に、降谷は寝室へと向かった。
　遮光カーテンで薄暗い部屋のカーテンをシャッと開け、光を差し込ませる。
「新一君、朝だよ。起きよう」
　声を掛けると、ベッドの上で薄い夏布団に丸まっていた「人物」がモゾモゾと動いた。
「んー……あさ……」