キミの話ばかり いまは昼休み。中庭で出張ベーカリーのパンを頬張りながら、ベンチの真ん中にグリム、両脇に監督生とフロイドが座り他愛ない話をしている。ころころと話題は移って、フロイドが「ジェイドがきのこが好きすぎて、きのこの話ばっかりする」と心底嫌そうな顔で話した後、それにグリムが続けて言った。
「そういや子分も寮に帰るとフロイドの話ばっかりするゾ!」
これに監督生が思い切りむせた。
「んんっ!? けほっ、ちょっとグリム!? そんなことないよ!?」
「なんだお前、自分で気付いてないのか? 昨日は『魔法史の合同授業が一緒で嬉しかった』とか、一昨日は『一度も先輩に会えなくて残念だった』とか、その前なんかは『食堂で見かけた先輩が美味しそうにご飯を食べてて可愛いかった』とか……。」
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