被観測者は拒絶するシリーズのどこかに入る話 あとからあとから零れる涙は透明で、それがするすると頬を滑っていく様子を見てサンズはなぜだか「もったいない」と感じた。
何かを考える前に指が涙を掬い、それでも流れ落ちそうになる雫を口づけて舐めとる。
フリスクが驚いたように息をのむ音が聞こえた。
「なっ…んで、なめるの」
珍しく開いた目が戸惑いと涙に揺れている。
何でと聞かれてもな。
「アンタが泣き止まないのが悪いんだろ」
両手でフリスクの頬を挟み、ミトンの手袋で拭いてやる。瞬きの拍子にポロリと落ちた雫がフリスクの唇の右端に滑り、サンズはそこにも丁寧に口づけた。塩辛い味がした。
「お、止まったな?」
「へへ」といつものように笑えば、フリスクは大人しく縮こまったまま顔を赤くしている。
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