大佐がフレとボンに軍隊メシを振る舞う話。 二日酔いで潰れていた明け方、ルイスに声をかけられたのは覚えている。
まずは酒癖への小言がいくつか。それは大した問題じゃない。本題は、「作り置きがあるので、お昼はそれを食べてくださいね」だったと思う。
記憶の片隅に引っかかった言葉を頼りに、静かなダラム邸のキッチンでメシにありついたのが正午になる十分前。
いつもより量が多いなと、違和感とも呼べないものはありつつも綺麗に完食したのが、その十分後。
フレッドとボンドがキッチンに顔を出したのも、ちょうどその時だった。
流し台の空の皿。満腹の俺。食事に来たらしい二人。
「モラン君、もしかして僕らの分も食べちゃった?」
仕方ないなぁ、という顔のボンド。
「これ、お前らの分も?」
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