もしもの話「ん?お…これ昔の…10代くらいのイングリット、か?
「あぁ、その…お父様が使っていたものね、お見合いのための肖像画よ
「なるほどな…………
「ちょっと、あんまりじろじろ見ないでよ、なんだか恥ずかしいじゃない
「あっとすまん…いやこうしてみるとお前って昔から可愛いかったなぁと思ってだな……
「は!?な、何を言っているの…!
「もちろん見目が全然駄目だと思ってたわけではないが、妹とか男みたいなやつって印象だったから……俺の目って節穴だったんだなぁ……
「別に……あなたにかわいいと思われたかったわけではなかったから……いいわよそんなふうに……
「今このときのイングリットと出会ったら間違いなく口説いてたのに、もったいないなー俺
「ちょ、ちょっと口説くの?結婚してるのに
「……お前のことだぞ?
「そうなんだけど…って、何でれでれしてるの……!
「いやあ愛妻になら嫉妬されるのっていいもんだな?しかも自分自身になんて最高にかわいい……
「う、うるさいわねもう……!………そもそも、当時の私はあなたに口説かれてなびいたかしらね?
「……あ〜〜…そうだな……しかももし恋人になれたとしてもいちゃいちゃさせてくれなさそう……
「当たり前よ、学業が疎かになっては困るでしょう
「うわっその一言でめちゃくちゃ想像できるわ恋人のお前……くっついたり口付けしようとしても風紀がどうとか言って断ってきそう……かなしすぎる……
「……で、でも、その分、夜とかお休みの日に一緒にいたのではないかしら……
「………あーやっぱもったいねえ!
「な、何想像してるの馬鹿!