ある「元」光の戦士の6.02その13「はい、これ」
ミーン工芸館の奥から、カットリスが押してきた『それ』はフィーネの思いもよらない形状をしていた。
「え……なにこれ」
思わず足を一歩引く。
「ミーン工芸館特製バイクさ」
「ばいく」
黒光りする車体に大きなマフラー。魔道アーマーなどとは違う圧力を感じる乗り物だ。
「ワッツ・ハンマーガレージのドワーフと協力して完成させたのさ聞くところによると、あんたも彼らとは協力関係にあるんだろう」
ロニットはこんなものまで作っていたのか。
「この間顔を出した時には何も言ってなかったのにな」
フィーネはしゃがみこんでバイクの仕組みを調べようとする……がさっぱりわからん。
「企業秘密ってやつだべなにせ、最近まで実現できるのかもわからなかったからな」
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