家族写真は今度こそ笑顔だけで「え、ヤダよっ」
七連勤を果たして休日、着替えもせずにベッドの上でまどろんでいたSAIの元に騒がしいの代名詞である弟がやってきた。それも、麗しの恋人を連れて。
「なぜだ?今日は休みだと千空に聞いている。SAIも見たいと言っていただろう、去年スイカたちが話していた藤棚だ」
「言ったけどっ!」
掛け布団を掴んで離さないSAIの腕を、龍水がぐいぐい引っ張る。SAIは弟の斜め後ろに立つ、麗しの恋人に(この名称はSAIの感想ではなくて、SAIの勤める第三研究所の復活者の面々がつけたニックネームだ。ちなみに龍水のことは龍水坊ちゃん。第三研究所に勤める実に三分の二が旧七海財閥の人間であることが要因だろう)助けてくれと目で訴えるが、涼しげな顔でSAIを助けようともしないし、そもそも龍水を止める気もないらしい。
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