斬心 一紗触手もの 生臭さと蜂蜜のような甘ったるさの臭いが立ち込めた暗い地下廃墟をコツコツと靴を鳴らして一紗は歩いていた。
廃墟の最下層に巣食うregretがいると先日報告があり、水生生物のような形をしていてとても鉄心達では歯が立たないどころか鉄心達がregret化もしかねないと駆り出されたのが一紗だった
偵察だけしてきてマズいと判断したら直ぐに引き返して、隊を率いて討伐に来ればいいサンプルが採取出来れば上々そんな子供のお使いのような任務に一紗は油断していた
「あっちぃ....」
涼しいはずの地下に立ち込めるじっとりとした空気を吸い込んで暑さに苛立っていた、八つ当たりのように植物をきり払って進む。
斬り払う度に切り口から滴る蜜の甘い匂いが濃くなり一紗は気づくことなく吸入してしまっていた
「はぁっ.....なんだ...これ...ックラクラする....」
壁に片手をついて寄りかかる。呼吸は荒くなり目は潤み白い肌は紅潮し次第にたっていられなくなり、座り込んでしまった
(ーまずい)
「はっ....あっ....ンッ」
何とかしなければと刀を杖代わりに立ち上がろうと藻掻くが立ち上がれず座り込んだまま壁に体重を預けて深呼吸をして息が整うのを一紗は待ったが症状は一層酷くなり地面へ蹲り悶える度に布が擦れて快感を拾う体に戸惑う