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    kikuna_vazzrock

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    最終兵器彼女パロ~急に始まって急に終わる。書いた時は二一で書いてたけど気が向いたら玲紗で続き書くかも

    兵器の体「ふーたーばーコーヒー」
    共有ルームのソファに気だるげに腰掛けて二葉にコーヒーをねだってこき使う姿はもはや日常であった

    「はい、兄さんコーヒー朝ごはんは?」
    「....いらね」
    「少しでもお腹に入れた方がいいよ?兄さん少し顔色悪くない?肌も少し荒れ気味みたい。ヨーグルトとかなら食べれそう?」
    「んー....」

    了解したものとして冷蔵庫にヨーグルトを取りにキッチンに戻ると、ビタミンを取った方がいいかとヨーグルトを器に移したあとフルーツをカットし盛り付けてスプーンをさしてソファで待つ一紗に持っていく

    「はい、兄さんヨーグルト。フルーツも入れたからさっぱりして食べられると思うよ」
    「サンキュ」

    さっきよりは覚醒したようでのそのそと動いてヨーグルトを口に運び始めたのを見届けるとホワイトボードを見てメンバーのスケジュールを確認した

    「今日はナオくんと優馬くんの2人は朝から雑誌の撮影、孝明さんは打合せでもう出たし鳳香はオフだけど....レッスンか。兄さんは昼前くらいから打合せみたいだけど1人で行くの?」

    半分ほど食べ進めてた一紗が二葉を見上げてしばらく思い出すようにボードに視線移すと
    「あー...うちのマネじゃなくて確かプロセラの黒月さんが来る」
    「え?黒月さん?なんで?」

    孝明や鳳香、一紗の3人は業界に元々いて名の売れたタレントではあるがVAZZY自体は駆け出しのユニットだ。先輩ユニットの方が忙しいであろうマネージャーが来るのは不思議だった

    「知らね、打合せの送迎で来るだけだからたまたま時間が合っただけなんじゃねぇの

    「へぇーそういうこともあるんだね、帰りは遅くなりそう?」
    「分かんねぇな今日の打合せは長引く気がする」
    「そっか今日は俺オフだから兄さんの好きな物作ろうと思ってたんだけど煮込み料理とかの方が良さそうだね」

    空になった器を持ったままぽつりと呟いた

    「揚げ出し豆腐」
    「え、揚げ出し豆腐?でも兄さんの帰り遅かったら冷めちゃうし...」
    「帰ってくるまで起きてろ」
    「えぇー!横暴!俺明日は早いのに...」
    「仕事から帰ってきて腹を空かせたオニーサマを放置して寝ると?いい度胸だな?」

    いつもの意地の悪い顔でわがままを言われるととても逆らうことは出来なくて二葉は両手を上げた

    「もー降参!起きてます!作ります!その代わり、早く帰ってきてよね」
    「はいはい、あとごちそうさま支度してくる」

    聞き流しながら器を流しに置いて共有ルームを出ようとした時、ふと思い出したように一紗は二葉を手招きした

    「ん?なに?兄さっわっ!」

    急にシャツの襟首を掴まれて引き寄せられて体勢をなんとか崩さずに保って困惑していると肩口に頭をぽんと預けられた。

    兄の突然の行動に振り回されることには慣れているもののいつもと少し違う様子の兄に戸惑って何も出来ずに見下ろして見ると

    シャツを掴んだ指先は白くなるほど強く掴んで、深呼吸をしてから二葉を見て何かを決めたような顔をしていた

    「お前今日は寮から出るな」
    「えっでも買い出ししないと」
    「揚げ出し含めて冷蔵庫にあるもんでなんとかなんだろなんとかしろ、いいな」
    「う、うん...?」

    気迫に押されてしまったまま固まっていると触れる前に一紗は寄せていた体を突き放して共有ルームを出ていってしまった

    しばらくして黒月さんが共有ルームを訪ねてきて兄さんは仕事に行った

    「2人とも雰囲気が暗かったような...?そろそろナオくん達が帰ってくる頃かな?お昼いるのかな...」

    スマホを取り出しお昼ご飯が必要か打つと直ぐに既読がついた

    "親子丼!親子丼たべたいです!''

    「了解っと....えっと鶏肉は切らしてたから買いに行かなきゃか、出るなって言われたけどちょっとくらいいいよね」

    身支度を軽く整えてから財布とスマホを持ってる守衛さんに挨拶して出ると、外は気持ちのいい晴天だった

    「んー!散歩日和だなぁ.....ちょっと急がなきゃだけどゆっくり行こ」

    飛行機の音に気付いて空を見上げると戦闘機が3機飛んでいた

    「最近よく見かけるなぁ...この前の秋物の雑誌撮影でも飛んでたっけ」

    駐屯地が近くにあったという記憶はない、一番近くても府中だったはずだから不思議に思っているとメッセージを受信した音が響いた

    "1時間くらいで着きます!''

    走るスタンプと共に送られてきたメッセージを読んで早足でスーパーへ向かう

    薄手のパーカーを羽織ってきたものの、スーパーの冷房は暴力的なまでに思わず身震いするほど体を冷やした

    「うー寒!」

    体が冷え切らないうちにカゴに手早く必要な商品を投げ込み会計を済ませて、袋詰めして店を出ると外の空気が冷えた体をほっとさせた

    「はぁー....さて帰ろう」






    子供の泣き声と親の助けを求めて叫ぶ声が耳をつついてくる、上がる土埃に目を擦り割れて落ちたガラスを踏みしめて寮までの道だったはずのアスファルトの剥がれた道を進みながら二葉は兄やメンバーを探していた

    「兄さん!孝明さん!鳳香!ナオくん!優馬くん!....みんな無事なのかな....」

    どうして俺たちの住む日本がこんな事になったのかわからない、戦争とは無縁の生活をしていたはずで

    いや兆候はあったんだ、今日だってこの前のロケでだって戦闘機が飛んでいたし兄さんだってあまり外に出るなと言っていた

    どうして兄さんが?

    「兄さんはこうなることを分かっていたの....?」

    なぜ、どうして、可能性を疑い始めた頭はどんどん悪いことを思いついてしまう

    「兄さん!!どこにいるの!」

    あたりを見回して兄の姿を探す、ふと遠くに拓けた場所が見えて向かうと次第に土煙でぼやけて見えなかった人の姿が見えてきた

    間違えるはずの無い探していた黒を纏う人の姿

    「兄さん!良かった...!無事.....」

    言葉を失った、仕立ての良かったお気に入りのはずの服はボロになって顔や体は土やオイルで汚れて人体から生えるはずもない身の丈ほどの鈍色の金属の筒は撮影で見たような銃を携えていた。
    いつもの余裕な顔ではなく憔悴した顔でこちらをゆっくりと見上げて目が合うと目を見開いてすぐ眉間に皺を寄せて

    「お前だけには見られたくなかった」

    悲しそうな顔で兄さんは一言告げた




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