「本当にごめんなさい、小松田さん…」
「大丈夫だってば~。僕はともかく乱太郎くんが無事なら良かったよ」
右腕と左足に包帯を巻いた状態の小松田が笑う。
今日は乱太郎の不運が重なったのかまたは偶然か、小松田が怪我をした。
昼休み、小松田に呼ばれて乱太郎が駆け寄った時に足元に大きな石がありそれに気がつかず躓き、助けようと小松田が乱太郎に駆け寄ろうとしたら小松田も足元にあった石に気がつかず転けて、二人とも転けた先にあった綾部の掘った大きな穴に落ちた。
先に小松田が落ちてその後に乱太郎が重なるように落ちた。そのときに小松田が腕と足を痛めたらしい。
自分が不運なのは良い(…?)が自分以外の人間が不運になるのは嫌だった。しかも、巻き込んだ形になってしまい、怪我もしてしまった。申し訳ない気持ちでいっぱいになる乱太郎は何度かわからないくらい小松田に謝罪する。
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