こたつを買ったけれど、使うのはもっぱらフロイドだけだった。アズールは、そんなものを使っていては精神が堕落します、と言って、頑なにチェアかソファに座ってブランケットを膝に掛けていた。そんな会話をしながら、ちょっとぐらいだらけたっていいと思うんだけどなあとフロイドは考えた。だから、買い物から帰ってきたとき、リビングのドアを開けたら、こたつから抜け出そうとするアズールと目があってしまって、フロイドはとっても嬉しい気分になった。
「アズール出ないで!オレ今手洗ってくるから、一緒に入ろぉ!」
「いや、ちが、これはっ!違うんです!」
フロイドだって、嫌がるアズールに無理矢理を強いることはしなかった。けれど、アズールが内心ではそう思っていないのなら話は別だ。
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