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    7go_220

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    7go_220

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    この本(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=14744967)と同じ時空の現パロだけど、単品でも読めるバソ髭ちゃん。

    #バソ髭

    「はぁ……ファストフード食べたいでごじゃる」
     本日のメインディッシュである牛フィレ肉のステーキをしっかりと咀嚼しながらそう漏らす。食事は美味しいのだ、食べ放題やグラム売りの格安店とは比べ物にならない程肉自体に旨みがあるし、焼き加減も上手い。
     だがこれを毎日食べたいかと言われたら別である。あの不味い脂身たっぷりの硬い肉、付け合わせの潰れたコーンや油で揚げた後しんなりした芋が既に恋しい。
    「今食事をしている真っ最中だというのに、お前は何を言っているんだ?」
     拙者の切実なぼやきにツッコミを入れてきたのはネトゲで数々の修羅場を共に乗り越えてきたオフ友であり、数週間前にオレを唐突に拉致してきやがった変態――ブラックバート。本名はバーソロミュー・ロバーツというこの男は無駄に金を余らせている上趣味が破茶滅茶に悪く、思い出したくもないので詳細は省くが現在オレをヒモとして飼っている。
     オタク的な趣味の充実っぷりでは頗る快適なのでまだ居てやっているが、気に食わないのは変態っぷりとその成金趣味。
     あまりにも口喧しいので仕方無く風呂に入っていると、乱入してきて頭の先から尻の割れ目まで洗いに来るような変態っぷりには呆れかえっている。これでいっそオレに対して明確に劣情を抱いているのであれば(絶対にお断りではあるが)理解も出来る。汚いだの反吐が出るだの文句を言っておきながら、ペニスにまで手を伸ばしてくるものだから意味が分からない。
     そんな救いようのない変態は死なない限り治らないとは思うから、せめて食生活くらいはどうにかして欲しい。
     焼いてあるだけだというのに美味しい付け合わせの野菜も、バターたっぷりのパンも確かに旨い。だが今求めているのは大味かつペラッペラの肉が、申し訳程度の野菜とコッテリとしたソースだのチーズだのと共にぺちゃんこのバンスに挟まれたハンバーガーなのである。散々ネットではネタにされているチー牛でも良い。
    「つーかお前毎日こんなフルコースみたいなもん食ってて飽きねぇの?」
     皿に残ったステーキソースをパンで拭いながらバーソロミューに問い掛ける。単純な疑問だった。現にオレは三日で飽きた。
     ちなみに朝飯ですら毎日野菜ジュースから始まり、パンだの肉だの卵だの色々と出てくる。こいつのヒモになる前は朝はイベント時以外、せいぜい缶コーヒーくらいしか摂取していなかったことを考えると多すぎる。
     一方で夜は少々物足りない。正式なフルコースではないものの前菜、スープ、肉か魚とパン、デザートと品目数的にはしっかりと出てくるが量が少ない。今食べているパンだっておかわりとして頼んだ分だ。
    「私は普通にバランスの良い食事をしているだけだが?」
    「拙者は体がおかしくなりそうなんでつけどぉ⁉」
     しれっと意識の高いことをほざいているが、栄養バランスを気にするような男が推しのランダムコースターのためにドリンクチャレンジを永遠に続ける訳がないし、くじを引くために一人で馬鹿でかいハニートーストを平らげる訳がない。きっと他に思惑があるに違いない。拙者は詳しいんだ。
     だというのにバーソロミューはふざけた言葉を続ける。
    「お前の元々の食生活がおかしいだけだろう。エナジードリンクも缶コーヒーも食事じゃないし、寧ろ私のお陰でお前の体臭もかなりマシになってきただろう。感謝して欲しいくらいだ」
    「余計なお世話だバーカ!」
     元々はカップ麺だの牛丼だの、すぐに食べ終わるようなものしか食べていなかったのだ。それが毎食野菜をしっかり食わされるせいで毎日快便で腹が凹んできた上、拙者のチャームポイントである髭がサラサラのふわふわになってきた気がする。体調的には確かに良くなったのかもしれないが、そういうのは求めていない。単純に好きなものを自由に食べられないということがストレスだった。
    「つーか別にテメェの家にいる必要は全く無ぇんだよな。拙者別に金はあるしいい加減家を――」
    「なんだ、折角伝説のイベント限定頒布DVDをようやく手に入れたというのに」
    「え、は? まさか伝説っつーとマジカル⭐︎パイレーツ?」
     バーソロミューはこくりと頷く。その表情は明らかに誇らしげだったが、これは確かに誇っても良いことだ。何といってもあの素晴らしい作品がバズる前にイベントで頒布された所謂プロト版なのだ。頒布数はおそらく百もなく、データが吹っ飛んだとか言って再販すらされていない。まず中古として市場に出回るのも知る限りでは二、三回程度しかなかったし、オークションでは二桁どころか三桁にまで跳ね上がっていたのを見た。
    「いやー、やっぱりもうちょっとここにいよっかな。ちなみにそれ拙者に譲る気ない?」
    「ある訳ないだろう私だってずっと欲しかったんだ」
    「ですよねー」
     残念、というより市場に出回っていたことに気付かなかったとは一生の不覚。
    「ところで、だ。家での食事に飽きたのならば、明日あたりハンバーガーでも食べに行くかい?」
    「おっ良いですな。拙者ついでにゲーセンと同人ショップも行きたいでごじゃる」
    「ああ、構わないよ」
     不思議で仕方ないのだが、バーソロミューは散々オレのことを悪しように言う割にはオレの言う事を聞くことが多い。何というか甘い。欲しいなと思っていたゲームだの漫画だの円盤だの、気づけば買い与えられている。
     変態行為については何をしようと止められた試しがないが、とにかくどう考えても好意を抱かれている。オタ友であり腐女子である刑部姫からは応じてやれと言われる始末だがその気はない。
     それはともかく久々のジャンクフードだ。ポテトもナゲットも全てコーラで流しこんでやろう。
     そう思っていた時期が拙者にもありました。

    「いや何これ」
    「何ってハンバーガーを食べに来たんだろう。お前の頭は昨晩の話を忘れてしまう程退化してしまったのか?」
    「いやだってお前、ハンバーガーっつーからにはファストフード店にでも行くんだと思うだろ普通は。なんでホテルなんか来てんだよ正気か?」
     そう。久々のジャンクフードに心躍らせながら奴のクソ高い車に乗り込んで辿り着いた先は、ジャンクの文字から程遠い高級ホテルだった。間違ってもランチにハンバーガーを食べに来るような場所ではない。無駄に敷地が広く、都心のホテルとは思えないような木々が生い茂り、小さな滝が流れる自然豊かで広大な庭まである。
     ホテル内に入るとこいつが連れてきたにしては調度品の趣味が良く、全体的に落ち着いた色目で整っていた。改めて考え直してもやはりジャンクフードに似つかわしくない場所である。
     だからこの野郎はハンバーガー食いに行くっつーのに趣味の悪い地紋の入ったセットアップスーツなんざ着ていたのか。こちとらいつも通りTシャツとジーンズだクソ野郎め。
    「ここのサンドウィッチは美味しいんだ。ハンバーガーもきっと美味しいと思ってね」
     バーソロミューが女受けしそうなムカつく顔で笑っていると、いつの間にかホテルスタッフが近くに寄ってきて「お待ちしておりました」などと言いながら恭しくバーソロミューにお辞儀をした。ホテルスタッフの態度から察するに、こいつは常連客な上どうやらわざわざ予約してきたらしい。
     そしてバーソロミューが二、三言葉を交わしてからスタッフに案内された場所は、大きな窓から庭園が見下ろせるお洒落なレストラン。遠景にビルが見える庭というものは不思議なものである。安いビニールのクッションの椅子ではなく、フカフカのソファーに尻を預けるも、心地の良い温良での穏やかな音楽が流れていては逆に落ち着かない。どうせならポテトが揚がるピロピロした電子音と元気で可愛いアルバイトの女の子の声を聞きたい。それにハンバーガーを食べるというのに、何故ナイフとフォークがテーブルに配されているのか理解が出来ない。
    「コレジャナイ」
    「ははっ、言うと思っていたよ。まずは食べてみて欲しい」
     キリッとしたキメ顔で言われたくない。第一何故こんな高級そうなホテルにバーソロミューなんぞと来なければならないのか。可愛いロリっ子だったらまだ許せるというか大歓迎なのに。
     思わず舌打ちをして、尻ポケットからスマホを取り出す。そろそろ各種周回ゲームのポイントが溢れる頃合いなのだ。しかしアプリを立ち上げて周回を始めようとした瞬間、もうスタッフが料理を持ってきた。
     こいつはゲームに於いても用意周到な奴だった、時間に合わせて事前注文でもしていたのだろう。ムカつく男だ、こういうことは可愛い女の子相手にやれ。
    「お待たせいたしました、プレミアムバーガーでございます」
     そう言って目の前のテーブルに置かれたものは直径こそ普通であるものの、厚さ十センチ以上はあろう分厚いハンバーガーだった。所謂高級ハンバーガーというやつだろう。共に用意されたものがジンジャーエールというところは及第点だが。コーラの方が良かった。
     さて、これがコラボカフェのハンバーガーであれば崩壊しないように剣でも模したピックかエンブレムやマークでも描かれた旗付きの爪楊枝が刺さっていただろう。しかしこれは上のバンスを本体に立てかけるようにして置いてあり、特に何の固定もされていなかった。代わりに中身がよく見えて写真映えもするので、何でもSNSに載せたがるようなタイプの若者であれば写真を思わず撮ってしまうだろう。
     肝心の中身はクリームソースがかかったミートパティにベーコン、レタスやトマトなど。付け合わせにフライドポテトだけでなく、フライドオニオンもあるという点はなかなかポイントが高い。
     とりあえず食べ物に罪はない。スマホで一枚撮影してから上のバンスをハンバーガーに被せ、正しいハンバーガーの形にしてから手に取った。しかしいくらオレの口がでかいとはいえ、ここまで分厚い物を囓れる訳が無いのでぎゅっと潰す。バンスがかなりふわふわだったようで、それは簡単に口に収まる厚さに収まってくれたので思い切り齧り付いた。
     ざくっと響いた小気味の良い音は野菜の音だろう。口の中いっぱいに広がる熱々の肉汁とソースの味を野菜が上品に緩和する。しかしそれだけではない。予想だにしていなかったカロリーが――フォアグラが野菜なんぞに負けない濃厚でこってりとした味を塗り重ねてきた。一歩間違えば味が破綻してしまいそうな高カロリーメニューだが、流石一流ホテル。ファストフード店で良くあるただひたすら味が濃いだけのデブ向けメニューと違い、全ての食材が不思議とマッチしている。
     確かにこれはホテルでないと食べられないだろう。きっとメニューを考えた奴はアホか天才に違いない。
    「美味いだろう?」
    「うわーその顔ムカつくぅ」
     予想していなかった味わいに、思わず目を見開いてしまっていたのだろう。バーソロミューは勝ち誇ったかのような満面の笑みを浮かべていた。お上品ぶってナイフとフォークでハンバーガーを切り分けている姿が腹立たしい。こんな食べにくそうなもの、フォークなんぞでよく器用に食べるものだ。
     だが実際旨いので気を取り直してポテトを齧った。思っていたよりも塩が効いてなかなか良い、というかトリュフ塩じゃねぇかこれ。
    「お前本当に成金趣味だよな」
    「趣味が良い或いは美食家と言ってくれないかい?」
    「病院行くか? 勿論頭のだぞ?」
    「はははっ。冗談にしてはあまりにもつまらないな」
     サクサクに揚がったフライドオニオンも口に放り込み、ハンバーガーをまた一口。肉汁とソースが混ざり合った汁が溢れ出して指の間を伝っていく。手首にまで滴り落ちていこうとする汁をべろりと舐め上げて、汁が溜まっているバーガーの間をぢゅっと吸うと、何故か鳥肌が立った。
     口に広がる油は旨いというのに何故か、と考えるまでもなく目の前の男だろう。どうせ食べ方が下品だと罵り始めるに決まっているが、気にせず食べ進める。味は流石一流ホテルだが紙で包まれている訳でも無いので食べにくいことこの上無い。恐らくバーソロミューがやるように、ナイフとフォークで食べることを本来は想定されているのだろう。嫌だし無理だ。であれば一気に食べるより他ない。
     残りは半分より少し小さい程度、食べやすいように改めてぎゅうぎゅうと整えて持ち直して一気に口へと放り込んでやった。
     少々大きかったかと思ったが、口の中を文字通り満たすバーガーは悪くなかった。肉とフォアグラが旨いことは分かっていたが、元々バターたっぷりで旨かったバンスもスポンジのように色々な味を吸って更に旨くなっていた。
     咀嚼しながら少しずつ飲み込んでいき、最後の一口あたりで漸くジンジャーエールに手を付けた。口内を占拠していた高カロリーの味が辛口の炭酸でさっぱりと洗い流されていく。
     このジンジャーエールもホテル特製というやつだろうか。よく飲むものより生姜の味が際立っており、こってりとした味のハンバーガーには良く合った。
     指の間に残るソースを舐ってからもう一口。求めていたものとは違うが存外気に入った。酒で割ったら旨いだろう。
    「文句を言っていた割には良く食べるじゃないか」
    「ん? まぁ食べ物に罪は無いでごじゃるからなー」
     残ったポテトをつまみながらバーソロミューの方へと向くと、奴は妙な表情をしていた。笑っているような、何かを耐えているような。強いて言えば偶発したメカクレに対してメカクレ判定に迷っている時のような。……何だソレ。
    「ところでブラックバート氏、この後秋葉原行かね?」
    「ああ、行きたいと言っていたね」
     正気を取り戻したのか、バーソロミューは再び器用にナイフとフォークでハンバーガーを食べ始めた。良く見るとハンバーガーは四等分程度にしかされていないので、こいつも上品とは程遠い気がしてきた。常人には大きいだろう一口がするりと口に入っていく。
     まぁそんなことはどうでも良い、当初考えていた予定に、たった今もう一つ目的を思い付いたのだからこんなことを言及している余裕などない。況してや食後の会計でちらりと見えてしまったレシートに、一万二千百円と書いてあったが気にしてはいけない。バーソロミューが好きでやっていることだ、変態め。
     ホテルの連中に見送られながらそそくさと車に乗り込み、バーソロミューの運転で秋葉原へと向かう。助手席に乗るのもこの短期間ですっかり慣れてしまった。
     バーソロミューのホテルや食事に対する蘊蓄からメカクレ語りまで適当な相槌を打ちながらも、窓の外を流れていく風景をぼんやりと眺める。綺麗な庭から雑多な街並みへとすぐに変化し、やがて閉塞感のある高い建物の密集するエリアへと進んでいく。見慣れた色とりどりの建物が突然現れるとそこはまるで実家のような安心感。秋葉原である。
     クソ高そうな車をコインパーキングに駐めていくのはどうかと思うが、オレには関係ない。車を降りて向かう先は駅の方面、正確に言えば世界中にある最大手ファストフード店。赤に黄色のMの字がトレードマークのハンバーガー屋だ。
     入店すると早速芋の揚がったピロピロ音が耳に届く。求めていたものはこれだ。
    「今からテメェに真のジャンクフードを食わせてやる」
    「はぁ? 一体お前は何を言っているんだ」
    「うるせー! 拙者はハピネスセット食べるんだ! ハピネスセット四つ、カルデアガールズのおもちゃAからDまで全部くだちぃ!」
     ギャンギャンやかましいバーソロミューを無視してハンバーガーとチーズバーガー、てりやきチキンバーガー、ミニパンケーキをメインにコーラを注文。すぐに提供されたそれらを持って店の奥へと進んでいく。
     椅子どころかカウンターに備え付けられている金属の棒にクッションが巻いてあるだけの物に尻を預け、コンプリートしたおもちゃ四つを貰った袋にしまい込む。
    「ここは拙者の奢りだから好きに食べて良いでつよ」
     そう言い放つと、横に並んで座ったバーソロミューが分かりやすく嫌そうな顔をしたので多少溜飲が下がる。
     二口どころか一口で食べきれる程薄っぺらいバーガーを口に放り込みもぐもぐと口を動かす。うーん、旨くはないが安心する。口の水分が奪われてしまったのでコーラで流し込み、ふぅと一息付くと、チキンバーガーを一口齧ったバーソロミューが砂でも噛んだような見事な渋顔を見せてきたので思わず噴き出してしまった。
    「汚い!」
     こういうバーソロミューを見られるなら、こいつとの生活も悪くないかもしれない。そう思ったのは絶対に言ってやらない。

    <END>
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     本日のメインディッシュである牛フィレ肉のステーキをしっかりと咀嚼しながらそう漏らす。食事は美味しいのだ、食べ放題やグラム売りの格安店とは比べ物にならない程肉自体に旨みがあるし、焼き加減も上手い。
     だがこれを毎日食べたいかと言われたら別である。あの不味い脂身たっぷりの硬い肉、付け合わせの潰れたコーンや油で揚げた後しんなりした芋が既に恋しい。
    「今食事をしている真っ最中だというのに、お前は何を言っているんだ?」
     拙者の切実なぼやきにツッコミを入れてきたのはネトゲで数々の修羅場を共に乗り越えてきたオフ友であり、数週間前にオレを唐突に拉致してきやがった変態――ブラックバート。本名はバーソロミュー・ロバーツというこの男は無駄に金を余らせている上趣味が破茶滅茶に悪く、思い出したくもないので詳細は省くが現在オレをヒモとして飼っている。
     オタク的な趣味の充実っぷりでは頗る快適なのでまだ居てやっているが、気に食わないのは変態っぷりとその成金趣味。
     あまりにも口喧しいので仕方無く風呂に入っていると、乱入してきて頭の先から尻の割れ目まで洗いに来るような 6776

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     本日のメインディッシュである牛フィレ肉のステーキをしっかりと咀嚼しながらそう漏らす。食事は美味しいのだ、食べ放題やグラム売りの格安店とは比べ物にならない程肉自体に旨みがあるし、焼き加減も上手い。
     だがこれを毎日食べたいかと言われたら別である。あの不味い脂身たっぷりの硬い肉、付け合わせの潰れたコーンや油で揚げた後しんなりした芋が既に恋しい。
    「今食事をしている真っ最中だというのに、お前は何を言っているんだ?」
     拙者の切実なぼやきにツッコミを入れてきたのはネトゲで数々の修羅場を共に乗り越えてきたオフ友であり、数週間前にオレを唐突に拉致してきやがった変態――ブラックバート。本名はバーソロミュー・ロバーツというこの男は無駄に金を余らせている上趣味が破茶滅茶に悪く、思い出したくもないので詳細は省くが現在オレをヒモとして飼っている。
     オタク的な趣味の充実っぷりでは頗る快適なのでまだ居てやっているが、気に食わないのは変態っぷりとその成金趣味。
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