拾われたどぽもちの話 俺は世間一般で「どぽもち」と呼ばれる個体だ。ディビジョンバトルの優勝経験がある人物がモチーフとなっているのだが、それゆえに悲劇は起こってしまった。
人気すぎて、需要と供給の割合はいとも簡単に崩れてしまった。製造が間に合わず、毎日フル稼働する工場と従業員。疲れ切った現場からはまれに粗雑品が生まれてしまう。
それが俺だ。
顔のパーツの配置が悪いせいで、本来ならばぺろりと可愛く舌を出しているあざとさは皆無になってしまった。どことなく疲れ切ったような、ぐったりとしているような、悲壮感の強い表情をしている。
俺を手にしたお嬢さんの「何これ? 独歩君の顔はもっと可愛いから!!」という言葉は今でも忘れることができない。
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