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    志成乃

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    志成乃

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    ※グリーンもオーキド博士も口調曖昧適当

    #第四世代
    fourthGeneration

    カントーの最初の手持ちの話夢主♂   シド

    元ポケモンレンジャー、現ポケモンセラピストという少し変わった経歴を持つ、ホウエン出身のポケモントレーナー。レンジャーの学校でブリーダーの知識も備わったので、色々知識が豊富な人。
    転生者でポケモンプレイ済みだがダイパまでなのでプラチナ以降のポケモン知識は殆ど無い。
    相棒は色違いブラッキー。
    レンジャーの傍ら、コンテストを渡り歩いていたがミクリにぼろ負けにされてから挑戦を止めた。やめろ思い出させるな。
    妹はホウエンのフロンティアブレーンのリラ。(アニポケ設定の)妹と同じくポケモンの気持ちを読み取る能力を持つ。

    現在は、ポケモン写真家のマサルの身体に原因不明で入ってしまっている……



    が、今回は夢主がマサルの身体に入る前の話。





    【カントー地方への一歩を踏み出した▼】


    レンジャーとして働く傍ら、ホウエン、ジョウトのジムを制覇したシドが次に向かった地方は、もちろんカントー地方だ。
    つまり初代。
    つまり赤緑青ピカチュウ。
    ピカブイってなんだそりゃリメイクでも出たのか俺知らねえけど。
    シドは今までロゼリアやエアームドやらを旅の仲間にしていたが、新しい地方への挑戦と言うことで手持ちをブラッキーだけにしていた。
    残りは現地調達、なるべくバトルせずに手持ちに加えたいところだ。
    一応色違いのギャロップがいるが、あの子はコンテスト用のため今回は外れてもらうことにした。
    シドのプランとしては、まずは秘伝要員の確保、特に"なみのり"が使える みずタイプのポケモンを早く加えたいと考えている。
    カントーのみずタイプのポケモンとなると、コダックやニョロモ、ヒトデマンやラプラス、ギャラドスやシャワーズあたりがパッと思い浮かぶ。


    「シャワーズなァ……」


    シドが呟くと、ブラッキーが一声鳴いた。


    「分かってるよ。イーブイ系統はお前さんで充分だからな」


    肩の上のブラッキーが嬉しそうに鳴く。
    シドのブラッキーはイーブイ系統のポケモンに対抗心やら執着やらが強い。
    カントーは どくタイプのポケモンが多かったはず。
    つまりエスパーの通りが良い、ことを考えると、エスパーを一匹加えたら旅が楽になるかもしれない。
    一応シドのブラッキーは、ブラッキーにしては珍しくサイコキネシス持ちであるが、やはりタイプ一致の威力には及ばない。
    せっかくなら、みずポケモンの使い手であるカスミに話を聞けたらと、シドは かる~く考えていた。


    「(す、スターミー……ウッ、昔のトラウマ(※カスミのスターミー)がッ……!)」


    ヒトデマンから進化するスターミーを手持ちに加えたらバランスが良いのかもしれない。
    みず・エスパー混合のスターミーがシドのプランに一番合っているが、ちょっとゲームでの嫌な記憶を思い出す。
    レンジャーという職業病のせいで、災害時に役立つみずタイプのポケモンは必ず手持ちにしていた。
    シドはウツギ博士からのお願いもあってオーキド博士の研究所へ顔を出しに行こうと歩いていた。


    「ゼニガメじゃん……?」


    一匹のゼニガメが草むらを歩いているのを見かけた。
    ゼニガメ、いわずとしれた初代ポケモン御三家のうちの一匹だ。
    生息地不明とよく書かれるゼニガメが、こんな草むらで彷徨いているのは珍しい。
    ふと、ゼニガメが此方を見て目を大きく開いた。


    「え、ちょ何」


    此方を見るなり、ギュっと自分に抱きついてきたゼニガメ。
    "ここから連れ出して"というゼニガメの気持ちを読み取るが、ちょっと意味が分からない。


    「連れ出すだァ? 一体何処へ」


    ゼニガメに話しかけるも、ゼニガメは"とにかく遠くに行きたい"としか言ってくれなかった。
    目的地が分からないのである。
    ブラッキーはシドとゼニガメを交互に見た後、遠くから声が聞こえて唸り声を上げた。
    まさか御三家狙いの密漁か何かか?


    「ブラッキー、"あくび"で引っ捕らえるか」


    ブラッキーが大きく頷く。
    ……足音、声が近づいてきた。


    「外すなよ」


    少し背の高い草むらから飛び出してきた男に、ブラッキーの"あくび"が直撃した。


    「ったく、カントーに足踏み入れて直ぐに臨時仕事か……って」


    シドはその場で寝息を立てた男の顔に見覚えがあった。


    「……、やっべ」


    オーキド博士じゃん……。



    ***



    「いやー、すまんかった! このゼニガメ、最近脱走癖があってのう」
    「ゼニガメに怪我が無くて良かったです」


    オーキド研究所までオーキドを運んだシドは、ブラッキーの"あくび"を直撃させたことを詫びた。
    オーキドはそこまで気にしていないらしく、むしろ感謝の言葉を言われてしまった。
    ゼニガメは研究所のところの子だったようだ。


    「知っとると思うが、ポケモン研究に関わっているオーキドじゃ。ゼニガメを助けてくれてありがとう。君は?」
    「(助けたわけではねーけど……)ホウエン出身のシドと言います」
    「ホウエン? オダマキ博士のところか」
    「はい。此方に来る前にはジョウトのウツギ博士のところにも顔を出しました。会えて光栄です、オーキド博士」


    シドはついでに、ウツギ博士からの頼み物を渡しておく。
    資料はすぐに助手の元へと渡された。
    オーキドはシドの隣でフードを食べているブラッキーを見る。
    長年一緒に居るだけあって、ブラッキーのレベルは相当高い。
    胸元に巻かれてあるパステルカラーの紫スカーフを見て、オーキドはもしかして、と言葉を零す。


    「シド? 一時期ポケモンコンテストに出ていたシド君か?」
    「ウッ……蘇る(ミクリにボロ負けされた)嫌な記憶……」
    「スカーフの着いたブラッキーに見覚えがあると思えば道理で」
    「あ、あはは……」


    シドは苦笑いしか出来なかった。


    「ところで、このゼニガメが研究所のところの子だとすれば、新人のポケモントレーナーに渡される子ですよね? これから渡す予定で?」
    「……言葉にすると悪いんじゃが、余った子なんじゃ」
    「余った?」
    「他のフシギダネとヒトカゲはもう引き取られたんじゃが、残ってしまっての。寂しいのか最近脱走癖が強くて」
    「なるほど。またフシギダネとヒトカゲに会いたいのかもしれませんね」


    ここに連れてくるまでかなり時間掛かったけど、"連れ出して"ってこういうことだったのか。
    ブラッキーと話しているゼニガメを見る。


    「会おうと思えば会えると思うんじゃ。ただワシ等みんな忙しくて、連れて行ける人が中々見つからず」
    「はあ。近場にいると分かっているのですか?」
    「ヒトカゲの持ち主はワシの孫でな、今はトキワジムのジムリーダーをしとる。フシギダネは孫の幼馴染の子が連れて行った」


    レッドとグリーンかよ! お前等かーい!
    そうツッコミしたくなるのを必死にシドは抑えた。
    代わりに出されたお茶を吹き出した。
    はずかしい。


    「ところでシド君は何故カントーに?」
    「観光ですよ。あとはこの地方での"そらをとぶ"の使用許可が欲しくて、ジムの制覇を目指しています。良ければこのゼニガメ、俺がトキワまで連れて行きましょうか?」


    シドの提案に、オーキドは「え?」と首を傾げる。
    ゼニガメも顔を上げた。


    「ジム制覇するのにトキワにいくのは必然ですし、ゼニガメをお孫さんのところまで連れて行きますよ。フシギダネは……ちょっと分かりませんけど、お孫さんのところのヒトカゲなら確実に行けます。丁度カントーの旅パが不足していて」
    「ふむ……バッジが16個もあれば相当の実力じゃろう。お願いしてもいいかの? 君にゼニガメを託したい」
    「はい。いいか? ゼニガメ?」


    ゼニガメは喜びのあまりシドに抱きつく。


    「ゼニガメも喜んでおる。じゃあ、頼むぞシド君」
    「宜しくなゼニガメ。お前がカントーで初めての手持ちだ」


    この日は研究所で泊まらせてもらい(ついでとばかりに自分のポケモンの気持ちが分かる能力もあり研究も手伝わされた)、翌日シドはジム制覇のためマサラタウンを旅だった。
    意気揚々と我先にシドの前を行くゼニガメの姿を見て、シドはオーキドに心の中で小さく謝った。


    「(ゼニガメが選ばれなかったことに怒っててヒトカゲとフシギダネにギャフンと言わせたいみたい、ってことは伏せておこ……)」


    それから数週間後、グリーンの手持ちのリザードンをボコボコにするカメックスがいたとか……。






    *おまけ1*


    「はい、グリーンバッジ」
    「サンキュ。お疲れ様、ブラッキー。それからカメックス」
    「そのカメックス、相当育てただろ? 強かったもんな」
    「こいつ、研究所のところの子だぜ。グリーンのヒトカゲ……今はリザか、会いたかったんだとさ」
    「ああ、あのゼニガメか! 大きくなったなあ! やられたぜ!」
    「闘争心強い奴は成長も早いさ」
    「闘争心?」
    「あ、いや、なんでもねぇ」
    「これでバッジは16?」
    「24な」
    「24?」
    「俺、ホウエン出身だから。ホウエンのジム制覇して、ジョウト行って、カントーに来たんだ。こっち来たのも、レンジャーの為の申請の必要でさ」
    「……空飛ぶためのか。でもホウエンもジョウトも制覇してたなら申請いらないだろ」
    「各地のバッジ見せた方が色々と時間省けるから楽なんだ。ま、観光ついでって奴さ」
    「観光ついでにジム制覇するもん?」
    「やるやる(ゲームの追体験だし)」
    「へー。あ、まだ時間ある? ホウエンに直帰? どっか行く予定ある?」
    「明日一日は暇かな」
    「これからシロガネ山行くんだけど付き合ってくんね? レッドの奴の様子見に行くんだけどさ」
    「俺必要か?」
    「いいだろ、観光観光。そういや、名前ど忘れしちまったんだけど、もっかい聞いても良い?」
    「シド。ホウエン出身のシドだ」
    「……シド? あ、分かった。レンジャーなのにキャプチャスタイラー持たない"孤高のレンジャー"のシドってお前のことか?」
    「んだそりゃ変なあだ名出来てんな」



    *おまけ2*
    「シドって、確か手持ちにカメックスいるよね?」
    「いるいる。オーキド博士んとこから脱走繰り返して、譲り受けた子」
    「これ、受け取って欲しい。メガシンカ出来るストーンなんだけど」
    「なんて?」
    「メガシンカできる石を貰って欲しいんだ」
    「は? ダイゴ君? 冗談キツいぜダイゴ君? なんか高級そうに見えるんだけどダイゴ君? ダイゴ君? デボンクオリティって奴かなダイゴ君?」
    「え? 駄目?」
    「ダイゴ君そういうところだよ」



    *おまけ3*
    「レンジャーやめるって本当なの?」
    「既に辞めた。やってらんねーから」
    「早っ。じゃあ、僕のところまで挑戦しに来る?」
    「リーグは挑戦しねぇって決めてるから有り得ねーわ。そもそもジム制覇してんのだって申請許可のためだし」
    「断られちゃったかあ。じゃあなんで辞めたの?」
    「シンオウに行くんだよ。時間かけてゆっくり回りてぇんだ」
    「シンオウに?ㅤ何か縁があったんだっけ?」
    「レンジャーやってる最中に仲良くなった奴が、ポケモン専門のマッサージ師始めたから師匠に見に来て欲しいってよ」
    「シド、弟子とってたんだ……」
    「向こうがしつこかったんだよ。あと、うちの古参勢ロゼリアさんの進化先の話聞きに行く」
    「ロズレイドだね。"ひかりのいし"が必要って話だよね」
    「それ」
    「僕持ってるよ!」
    「要らねえ」
    「シンオウに別荘あるから拠点にしていいよ!」
    「丁重にお断りします」
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