梨くんの自慰『君がいいんだ…落ち着くから』
いつもよりも弱っている優しい声色、大人びた彼が自分を求めたその声がずっと脳裏に焼き付いている。
「……………」
耳が熱い、いや耳だけじゃない。顔も身体も熱を持っている。まるで彼の熱が移ったかのようで、酷く胸が寂しく感じた。
いつの間にか自身の下半身は疼いて、膨らんでいる。
「……ふ、ぅ……ッ…」
自室のベッドにしがみついて、恐る恐ると下着の中に手を入れた。
緩く兆したそれはいつもよりも敏感なのか、触れただけで蜜を垂らす。
「ぁ、……ん……ぅ……」
いつもならそういった本などを読んで手早く済ませると言うのに、思い浮かべているのは、自分が明らかに特別視している友人の顔だった。
「………と、わく……」
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