きっと秋の穏やかな朝の話「ん…。」
司が目を開けると、少し薄暗く雑多な部屋が視界に入った。
窓からは朝日が覗いていて、スマホを確認すると6時30分を少し過ぎたところ。辺りを見回すと、近くのテーブルに昨日読んでいた本が半分もいかないページにしおりが挟まれて置いてあった。
(そうか、昨日はそのまま眠ってしまったんだな…。)
類の部屋には演劇関連の専門書はもちろん、機械関連の専門書も沢山ある。昨日司が読んでいたのは、機械関連の本だった。
(俺が読んでもさっぱり理解できなかったうえに、眠ってしまった。こんな本を読んで、ロボット達やらを作って操れてしまう類はやっぱりすごいやつだ!)
と、自分のことではないのに少し誇らしくなる。
そんなことを思っていると、背中が暑くて足が冷たいことに気がつく。背中には類が張り付いていて、足は布団から少しでてしまっていた。
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