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    pekeyori

    @pekeyori

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    pekeyori

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    落書きしてたら浮かんだやつ。ユリウスモード結構きてますわ……

    指切り指切り
     指切りってなんだ?とユリウスは言う。
     まぁ一種のお呪いみたいなもんだと思ってくれよと蒼真は言う。
     渋々指切りしてこんなのでいいのか?とユリウスが聞くと、日本ではよくやる事なんだと蒼真が言う。
     忘れないでくれと蒼真は言う。交わした約束を、忘れないでくれと言う。
     あぁ分かっているとユリウスは言う。忘れも違えもしないとユリウスは言う。
     その言葉を聞いて蒼真は笑う。頼もしいなと蒼真は言った。
     じゃあオレもお前と指切りをしようとユリウスは言う。
     何も約束する事なんてないのに?と蒼真は言う。
     蒼真が魔王になんかならないと約束だとユリウスは言う。
     そんなの保証できないのに?と蒼真は言う。
     ただの約束も大切にしておけば現実になるかもしれないぞ?とユリウスは言う。
     ロマンチストだっけ?と蒼真は言う。
     お前に言われたくないとユリウスは言う。
     もう一度、二人で指切りをした。




     

     肉片になったドラキュラだったものを見る。蒼真は約束を破ったのだ。針千本、あの日交わした指切りはそんな事を言っては飲ますなどと恐ろしいと思う内容だったのに、今となっては斧が周りに散らばっている。ぐちゃぐちゃになった巨躯は暫くしたのち霧散した。
    「ユリウス、大丈夫…?」
     心配したヨーコが声をかける。大丈夫だ、と返すユリウスだが顔はそうは言っていなかった。今し方見知った相手を倒したのだ。通常の退治と違い言いようのない感情が胸を締め付ける。
     城が崩れ始め悠長にしていられない、と三人は後ろ髪引かれる想いだったが急いで脱出した。

     

     ユリウスと交わした蒼真の約束は果たした。しかし蒼真と交わしたユリウスとの約束は蒼真が魔王となった時点で破綻した。
    「嘘を、つくんじゃない…」
     もう居ない相手に悪態をつく。もう、居ないのだ。
    「大馬鹿者め…」
     脱出の最中、ユリウスは蒼真をなじった。もう居ないと言うのに。居ないからこそなのだろうか。
     約束とはなんだったのだろう。今となっては意味の無い戯言だとユリウスは頭を振って考える事をやめた。

      ――なぁ、もう一つ約束していいか?

     不意に思い出された言葉にハッとすると周りの時間が止まった様にゆっくりと進んでいる。振り返ると蒼真が笑っていた。
    「蒼………」
    「ユリウス!?」
     走る足を止め蒼真の方へと向き直るとその幻影は落ちた岩に潰された。間一髪でアルカードに腕を引かれユリウスは助かった。
    「す、すまん…」
    「そんな事はいい、早く脱出するぞ!」
     崩壊が早まる。時間は残り少ない様だ。無駄な事を考えずに急いで脱出した。
     後数分遅れたら見事に生き埋めになるところだったが、教団跡地を見て全て終わったのだと理解する。
     早く戻ろう、ヨーコもアルカードもこの場所から離れたいのかそそくさと立ち去る。ユリウスはもう少しいると二人を先に行かせた。
     
     ――なぁ、もう一つ約束していいか?

    「あぁ、守るさ」
     あの日交わしたもう一つの約束。それを誓うかの様に、いつかの指切りのように空に指を伸ばした。


     ――オレが死んでも、アンタたちは生きろよ
     


     
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    pekeyori

    MOURNINGGoSで有角くんとシモンがルーシーのお悩み相談してるの見て有角くんもそういうお話ししてたら良いなってメモ。セリフのみ
    有角とシモン
    「シモン、少しいいか?」
     
    「どうした?」
     
    「なに、ただ他愛のない話を…違うな。愚痴になると思うのだが」
     
    「私で良ければ聞こう」
     
    「……少し、考えていた。私は何者なのだろうか、と。半魔である事は分かっている。しかし母の言葉を胸に父を幾度となく眠らせたが、それで良かったのだろうか、と。デスの甘言を聞く気は無いが、こんな私が人間の側にいて良いのだろうか、と。…………このように賑やかなのは久方振りで忘れていたが、私は、長い時を生き過ぎだのだろうな」
     
    「そうか」
     
    「異なる時代のベルモンドやハンター達を見て少々感傷的になったようだ。そんな私をお前は笑うか?」
     
    「いや、笑わない。……笑えない。我が一族はただ当然のようにその時代に復活したドラキュラを倒してきた。しかし歴史を紐解けば奴にも家族が居てそして奪われ、恐怖の対象となった。倒すべき相手と分かっていても実父を幾度となく相手にしなくてはならない有角には敬意を表する。……私であればそんな事は耐えられまい。だからお前が愚痴や弱音を吐く事に、私は人間らしさを感じた。そんな有角を、……アルカードを笑いはしない。恥とも思わない。陳腐な言葉かも知れぬがよく頑張った、無理をするな、お前のおかげだ。そう言葉を掛けたい」
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