塊魂 肉の塊が食べたいんですよ。形なんか何にも気にしないでナイフを入れてざくざく切った牛の肉、ロースなら最高ですがこの際バラでもいい、とにかく塊を、一口でなんて食べられない大きさの塊を、サンチェいらない、コチュジャンいらない、胡麻油と塩、あとは胡椒をひとふり、外側だけかりっと焼いたのをそんな味つけで、
「食べたいんですよ」
「そうか」
返事があるとは予想していなかったらしい、ジェホンは口をつぐんでサンウクを凝視する。見られた男は、静かになってよかったと考えている。何しろ普段から手狭な部屋の、心持ち程度に端の方で、決してコンパクトではない体をだらしなく床に拡げて、ジェホンは先刻からぐだぐだと、あれが食べたいだのどこに行きたいだの
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