【ロナドラ】いつかまた、君と【※死ネタ】いつかまた、君と
これはとある国にある田舎街の話。
多くの人が生活の拠点とする街から少し離れた閑静な土地に大きな屋敷があった。
そこには青年が一人で暮らしているという。
しかし滅多に外に出る事のないその姿を目にするものは少なく、根も葉もない噂をする者たちが居た。
その屋敷に住む青年は、吸血鬼であると。
吸血鬼の屋敷と噂されるその家の前に立つ年端も行かぬ少年は、その重厚な扉に勇み手を掛けた。
「覚悟しろ吸血鬼!この吸血鬼退治人ロナルド様がお前を退治してやるぜ!」
扉を開け放ち威勢良く口上を述べた少年を出迎えたのは彼が期待した悪しき吸血鬼ではなかった。
「おや。これはこれはいらっしゃい、小さな退治人君。けれど残念ながら私は君が退治する相手としては不相応だ」
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