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    nagi1720

    らくがきぽいぽいするところ。真壁一騎をキメがち。メモは考察だったり備忘録だったり。

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    nagi1720

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    無印を見返して気づいたことその2 皆城総士(傷)の所在について および真壁一騎に望んでいたこと※20220107追記

    結論から先に書くと、皆城総士(傷)が物理的に島からいなくなっていた間、心だけはずっと真壁一騎の中にいたのではないか、という話。


    前提として、BEYONDで多く描写されてきた「心を移す」という現象と、「お前たちがいるべき場所に帰す(帰りな)」という言葉が非常に重要なワードとなる。

    心を移すという行為はセレノアが主に多用するが、BEYONDのラストでは彗がセレノアの中から里奈の心を引き寄せる。それだけでは里奈を目覚めさせることは叶わなかったが、里奈の入ったカプセルに語りかけ、涙を落としたことで里奈は目覚めた。
    おそらく涙または(カプセル越しだが)接触を通じて、彗の中に留まっていた里奈の心が里奈に戻ったのだろう。
    このことから、心を移す力はマレスペロ由来の能力ではなく、島のミールも使用可能な全フェストゥムに備わった力なのではないかと考えられる。



    【無印】
    北極決戦ヘブンズドアー作戦中に皆城総士は生命を落とし、砕け散って無へと還った。
    その際、一騎の身体に重なるようにクロッシング(?)して、言葉を交わしている。

    「総士!いるんだろ、そこにいるんだろ!?総士!……総士!」
    「僕はここにいる。いつか再び出会うまで……」

    そしてその最終回の総士のモノローグは以下。

    「今なら分かる。例え苦しみに満ちた生でも、僕は存在を選ぶだろう。お前が信じてくれる限り、いつか必ず帰る。お前がいる場所に」


    北極決戦の最中、恐怖に刈られたイドゥンは「我々を無へ戻せ!」とわめき散らす。
    それは当時のフェストゥムの大部分が帰りたい場所、いるべきと定めた場所が「無」である、ということ。
    しかし総士はフェストゥムの側に行く、と告げつつも、一騎がいる場所に帰るとはっきり告げた。それは、総士が帰りたい場所が「無」ではない、つまり「自分は人間」だという意思表示である。
    本作において一騎は=存在の象徴であり、総士の言う存在を選ぶとは自分の存在を肯定することと一騎を選びその元に帰る、という二重の意味であるととれる。
    この時点で肉体は滅びたものの、人として、皆城総士として生きることを選んだ総士の心は消えず、「帰るべき(いるべき)場所」として定めた「ここ」、消える直前に重なりあった一騎の中に移していたのではないだろうか。だからこそ「ぼくは“ここ”に“いる”」と進行形で伝えた。

    しかしこの時点での一騎にそれを知覚することはできない。その可能性が表に出てくるのはHEAVEN AND EARTHだ。 


    【HEAVEN AND EARTH】にて、クロッシングで一騎に語りかけ続けていたことが判明した総士は、中盤で操の体を借りて直接声で話し出した。
    総士が操の体で喋るのは美羽との邂逅後だが、その直前に操と一騎の肉体的な接触がある。
    彗との接触で里奈の心が肉体に戻ったように、一騎の中にいた総士の心が操に触れたことで可能になった現象だったのではないだろうか。

    そして、一騎から操の体へと移った総士の心は、核を止めようと操の心(フェストゥムとしての肉体)が自発的に体から抜けたことで、総士としての体を得るに至った。


    上記のことから総士は肉体的に一騎のいる場所に帰るまでの間、ずっと一騎の中にいて、ずっとそばに居続けていたのかもしれない。
    ケイオスが「ケイオスもミツヒロも俺の中にいる」と言ったように、ひとつの体にふたつの心が存在することが可能なのは証明されている。


    そして【EXODUS】
    最終回で、総士は再びいなくなる。
    今度こそ地平線を越えると言った総士だったが、シリーズの最後の最後まで、地平線=ゴルディアス結晶の中に総士は存在しない。

    【BEYOND】にて生まれ変わった存在である子総士の中にも、それらしき記憶や力は存在していない(仮にあったとしても、子総士にその自覚は全く無い)

    人類が知る限り、存在を失っても存在した情報は失われず、その分だけ地平線は広がると総士は言った。
    総士が地平線を越えても、その地平線=ゴルディアス結晶になんの変化も見られないなら、
    では総士が存在したという情報はどこにあるのか?


    BEYOND11話のニヒトVSアレス、一騎はここが自分が導く未来の終着点だと思って戦っていた。子総士に自分の生命も力も託し(こそからすればはた迷惑な押し付けだが)消える覚悟ができていた。
    ニヒトの同化ケーブルがアレスを突き刺さんと迫りくる中、一騎は不意に総士の声を聞く。
    すでに限界まで心をすり減らし、視界はモノクロになるほどに人でなくなっていた一騎だったが、走馬灯のように思い出す記憶はどれも色鮮やかなものだった。
    ただ美しかったころの故郷の島と、総士と自分しか知らないような懐かしい記憶の数々。

    これらは、空を綺麗だと感じられなくなった一騎の代わりに、一騎の中にいた総士の心がクロッシングして見せていたのではないだろうか。
    総士の心は、一騎がフェストゥムから化け物と呼ばれるほどに人であることをやめてからも、一騎のいる場所を帰る場所と定め、ずっと一騎のそばにいたのではないか。
    肉体はミールの力で子総士として生まれ変わっても、人として生きた皆城総士の心は、皆城総士の心のまま、子総士でもなくゴルディアス結晶でもなく、皆城総士が帰るべき場所である一騎の中に還っていたのではないか…?


    少し話は戻り、EXODUS総士がいなくなる時の最後のデスポエムがこれである。

    「君は知るだろう。苦しみに満ちた生でも存在を選ぶ心。それが僕らを出会わせるのだと。世界の祝福と共に僕らは出会い続け、まだ見ぬ故郷へ還り続ける。何度でも」

    それまでのメッセージが未来のだれかに状況を教えるような内容になっているのに対し、最終回のメッセージだけは希望を語るような内容になっている。

    すべてのメッセージの中で、これだけは未来の一騎にあてたものなのではないか?
    搭乗する機体名や歌のタイトルなどが示す通り、一騎が「存在」の象徴であるなら、総士(傷)は「無」の象徴である。
    苦しみに満ちた生でも、存在を選ぶ心。それが僕らを出会わせるのだと。消える直前には、存在と無の調和を未来に託す、とも総士は言っていた。
    苦しくとも一騎が存在を選び続ける限り、一騎と総士はかならず出会える。そう伝えるために残したメッセージではないだろうか。

    子総士との闘いで、一騎は己の存在を放棄しようとした。それは地平線を越える=無の側へ行くことである。
    別のメモで書いていた気がするが、一騎はかつて、総士の選んだものを選ぶことを選び、エレメントとなった。そんな一騎からすれば、総士が行った無の側へ行くことを選ぶのも当然だった。
    しかし、一騎が存在を選ばなければ、一騎の存在と総士の無の調和は行われない。
    あの瞬間、一騎の中にいた総士の心が、それを止めるために一騎に呼びかけたのではないだろうか。何度でも出会い続けるために。
    生きてほしいと。

    ……まあ、そうであったとしても、結局総士(傷)に一騎を止めることはできず、子総士が同化を拒絶して置いて行くことでやっと「ただの真壁一騎という存在」になることができたのだが。


    (そしてこれは完全に余談ですが総士に呼びかけられた瞬間から一騎の表情がどんどん人間くさくなっていくのがたまらなく好き)

    [1/7追記:BEYOND10、11話の特殊EDにて、一騎(髪が長くなさそうなので一騎だと考えている)が暖かく照らされた海の上に浮かび、それに水底から手を伸ばしてそっと拳で包み込む仕草をする総士のシーンがある。総士はその後溶けるように消えていく。
    ファフナーにおいて海は心の状態を表す大切な要素だ。自己否定を繰り返していた一騎の海は暗く深い海の底で非常に重苦しいものだった。
    その一騎が、明るい海の上にいる。己を肯定し、存在を選びとった。総士は一騎がそれを選ぶまで、一騎の心の海の底からずっと見守っていたのではないだろうか。
    一騎が存在を選んだことを見届けて、やっと安心した総士は、今度こそ一騎の心の中から無へと消えていったのではないだろうか。いつか存在と無の調和の果てに再び存在を取り戻し、何度でも出会うために]
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