お前が死んだらのはなし「志摩はさぁ、俺が死んだらどうする?」
「なんだよ急に自殺の予定でもあんの?」
「違う違う、なんかしらで死んじゃったとして。」
もしもの話だから答えてよ。謎々みたいなもん。でも正解はなしね。
そう言ってほらほら早くと、手をふらふらと目の前でふってみせる伊吹に志摩はめんどくせぇなと思いながらも少しだけ考える。
死因がなんにせよ。お前が死んだら。
「別に普通に生きていけるんだと思う。多少夢見は悪くても。飯食って寝てまた起きて、でも」
「でも?」
「お前がいなくなった先。俺はただ生きてるだけになる。」
「どゆこと?」
むじぃね志摩ちゃん。切長の目が難しいねと細められた。志摩はわかんなくていーよ。と手元のファイルで伊吹の背中を叩く。伊吹はわかんねーなぁと志摩を眺めれば志摩はほらいくぞと車のキーを手渡した。