ガマさんといぶきのはなし 俺の家は貧乏だ、最初からって訳じゃない。
俺が生まれた頃にはお母さんとお父さんがいてまるで絵に描いたようなファミリー感があった。小学校に上がる頃には弟が出来てこれからお兄ちゃんとしてしっかりしなきゃねなんて親や親戚に言われて俺もそうだ!俺はお兄ちゃんなんだ!って張り切ったりもしてた。
弟が小学校低学年になる頃仕事で帰りが遅くなりがちの父親が何故かその日は帰って来ず三人で夕食を済ます。お風呂に弟を入れて欲しいというお母さんのお願いを俺は聞いて浴室に向かうと弟はお気に入りのおもちゃが無いとぐずり俺はめんどくさいと思いつつ弟がこのまま泣き出してしまうよりはと思って小さなアパートのリビングに取りに行った。
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