ブルーベリー&ストロベリー 五月。連休も終わり、また普段と変わらぬ日常が始まって二週間が経った。
とはいえ、連休中は特別だったかと言われたらそういうわけでもない。家でだらりと過ごし、気が向けば億泰仗助コンビは町をぶらついたり、ツーリングしたり。由花子と約束のない日を狙って康一を連れ出したり。ある意味多忙ではあったが特別と言うほどでもない。
しかし、連休に引き続き、ひとつ特別だと上げるならば──
「あちィ~……」
「二十七度だってよ……」
「グレートに、へびぃ~……」
五月だと言うのに今にも蝉が鳴いてきそうなほどの暑さだ。仗助は池を眺めるように設置してあるベンチに腰掛け項垂れる。その隣では、顬に一筋の汗を流す億泰が、気前よく三段アイスを買い、チロチロと舌を出して舐めている。
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