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    VVolF08

    有効活用できるかは不明
    あとこちらにネタバレ含むギュラ2イラストまとめ置きしてます
    https://note.com/kimama2/n/nc84a3937bc11

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    VVolF08

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    ミキイの話みたいな。
    思い浮かんできたのをつらつら書いたプロットモドキ。

    かつてはただの荒魂だった吾も気づけば同胞(ノロ)を糧に生き延び、人の姿になる術をも手に入れていた。
    人を襲う所で飯にもならぬし、刀使により討伐されてしまうのがオチである。

    「…このノロをいただいたらこの町から去らねばな」

    刀使によって討伐され荒魂からノロに変わり果てたのを
    吸収し、過ごしていたのだがどうやら町中に噂が広まりつつあるようだった。

    「んむ。これで―――」

    ガサッ。

    「!」

    人の気配。もし見られていたとすると、マズイな…。

    「そこに誰かおるのか」
    「あ…バレました?」

    草陰から現れたのは一人の少女。
    腰には御刀が帯刀されているということは、

    「お主、刀使か」

    尚更マズイ事になった。
    相手が悪い。一刻も早くこの場から退かねばならない。
    だが、彼女は刀を構える素振りがない。
    どういうことだろうか。

    「そ、そうです。あ!でもあなたを祓うだなんて事はしないので安心してください!」
    「………は?」

    思わず唖然となる。
    一瞬の沈黙はすぐさま破けた。

    「ここだと回収隊の方々が来てしまうので場所変えませんか?"荒魂"さん」

    バレてる。
    しかし彼女の言う通り、そろそろ町の回収隊が来る頃合なので場所を移すしか他あるまい。
    私についてきてください。いい場所がありますよ、と彼女は山の中へと進んでいく。
    吾もそのまま後ろからついて行った。



    「―ここならもう大丈夫です」

    だいぶ山の中を歩いた気がする。
    それにこんな山奥に小屋があるとは驚いた。

    「…お邪魔する。随分と山奥だな。…ここで住んでいるのか?」
    「はい。ここが私の家です!町のより、小さくて狭い家ですけど……」

    彼女は御刀を置き、囲炉裏に火をつける。
    その炎を見つめながら率直に尋ねる。

    「……何故、祓わない。町の者にも報告しない。…吾のこと、荒魂だと分かっているのだろう?」

    何故祓うべき存在を祓わないのか。

    「…私は、荒魂と対話を試みたいと思い続けていました。ただ、御刀で祓うだけではない気がするのです」
    「……」
    「それに、あなたは他の荒魂と違います。だから好機だと思いました。荒魂と対話するなら今だと」
    「だからあの時に御刀を抜かなかったのか?」
    「はい」

    彼女の気持ちは嘘でもなく、真剣そのものだった。
    本当に荒魂と対話したいのだ。

    「…、物好きな刀使がいたものだ。荒魂と対話したいと言う者はお主以外見たこともない」
    「あはは、そうですよね…」
    「だが、お主が望むのであればできる限り応えよう」
    「!」

    ぱぁと彼女の表情が明るくなる。
    吾も人と接するのは幾年ぶりであろうか。
    本当は話をした後にここから離れようとしたのだが…少しばかり、彼女の事が気になってしまった。

    人と対話していくことで荒魂に何が変化が起こるか正直、解らない。
    でも…可能性があるのならば試みるのも悪くない。

    「そういえば人の姿ですけど、元々はどんな姿なんですか?」
    「気になるか?」
    「それはもう!」
    「すっごい食い付いてくるではないか…まぁ、人の姿も疲れるから戻るとしよう」

    人から荒魂へ、はるか昔に人から呼ばれていたのは「猫」、「猫又」あるいは「猫魈」。

    「わぁ、猫型の荒魂なんですね!私、初めてみました!」
    「確かにここの町では見かけなかったから……むぐ」

    急に首元を触られ、口つむんでしまう。
    ここ暖かいんですね!なるほど〜と声が聞こえる。
    本当に物好きな奴だ。しかしなんだか、気持ちがいい…

    いや、それよりも彼女の名を聞いてない。

    「……お、おい。お主」
    「はっ!すみません、つい触り心地良くて…」
    「構わぬ。それよりもお主の名はなんと言う」
    「そういえば言ってませんでした!」

    「私の名前は広幡ハル。ハルって呼んでください!」































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