雪すら融かす朱い熱アオガミの体表から放たれている朱い光が部屋をほんのり照らす。
身体を巡るマガツヒの色だ。
ベッドに座って窓の外を見やる。
東京には珍しい雪が降りしきっていた。
真正面には瞳を閉じ、跪いた状態で待機している神造魔人。
きっと僕が声をかければその瞳が開かれ、
黄金の色が覗くのだろう。
その目に射抜かれる度に心臓が高鳴る。
しかも普段より距離が近い。気が気ではなかった、が。
僕はやっぱり、アオガミに見守られたい。
「アオガミ」
すっ、と瞳が開かれ、
顔を上げて此方を見るアオガミ。
「──どうした、少年」
「ちょっと寒いから、
一緒に寝たいんだけど……」
だめ、かな……と薄目でアオガミの方を見遣る。
「……構わない、少年が望むままに」
その瞳は少しだけ微笑んで居るようだった。
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