貴方のために その日は璃月で任務があった。空はパイモンと共に天穹の谷付近を歩いていた。
この頃空は、度重なる依頼、そして蛍について―今自分がこうしているとき、蛍は何をして、考えて、見ているのだろう…と―考えることが多くなり、寝不足だった。パイモンも、そんな様子の空に「もっと寝ろ!」等ということは言えなかった。
ふとファデュイの蛍術師の気配がした。
(これは…雷元素か。)
パイモンはすぐさま木の陰に隠れ、空は剣を構える。
「あら~噂の旅人さんじゃな~い?」
蛍術師は艶やかな声でそう言いながら、空のもとに近づいてくる。空は無言で剣を構えたままだ。それでも構わず蛍術師は続ける。
「ああ、そうそう。旅人といえば…魈という名の仙人を召喚できるんでしょう?」
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