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    ひさし

    @okomediary

    🍃🌊|20↑

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    ひさし

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    現パロ/DK🍃🌊。前世の記憶がある🍃。

    昨夜のバイトが大変だったため、授業中に居眠りをしてしまう実弥。すやすやと寝息を立てている実弥を教師が睨んでいることに気づいて、隣に座る義勇は手を伸ばして実弥の肩を揺すった。「不死川。起きろ、不死川」と小さな声で名前を呼ぶ。
    すると実弥が薄らと目を開けて、もぞもぞと顔を上げた。「んー……」と、まだ眠たそうに声を漏らす実弥。義勇はもう一度「不死川」と呼ぶ。それに対して、実弥は「なぁんだよ」と柔らかい声音で答えて、藤色の瞳を細める。まるで愛しい相手を見つめるかのような眼差しを向けられて、義勇はぽぽぽぽと頬っぺたが熱くなった。
    「し、不死川?」
    「ん?なんで今さらそんな呼び方してんだよ。お前だって不死川だろォ」
    「?💦💦」
    「ふは。なに、お前の方が寝ぼけてんの?」と笑って、実弥は伸ばした手で義勇の頰に優しく触れた。その手を滑らせて義勇の顎に指をかけると、少し引き寄せるかのように力を込めて、そのまま顔を近づけて「ちゅ」と唇を奪った。周りの生徒や、教師が「!?!?!?」と目を見開く。義勇もびっくりして、一つに結んだ髪が猫のしっぽのようにボワッ!と逆立った。
    義勇にキスをした実弥は満足したように笑うと、そのまま机の上に伏せって、再びすやすやと寝息を立て始めてしまった。残された面々は「??」「!?」と、言葉にならない悲鳴を上げながら実弥と義勇を交互に見る。義勇は「ぷしゅう」と湯気が立つほど顔を真っ赤にして、ふらふらと立ち上がり「お、お腹が痛いので保健室に行ってきます……」と言って、逃げるように教室を飛び出すのだった。
    授業が終わり目を覚ました実弥は自分がしでかしたことに頭を抱える。実弥には前世の記憶があって、義勇と過ごした日々もしっかり覚えている。毎朝、起きたら義勇と口付けを交わしていた。そのせいで、目を覚ました時に義勇の顔があったものだから、ついキスしてしまったのだ。寝ぼけてた。やっちまった。今世の義勇は俺のことを覚えてないみたいだから、俺の気持ちを一方的に押し付けたりしないって誓ったのに!!!俺のバカ!アホ!しかも、あんな人前で!!!実弥は顔を真っ赤にして、人気のない屋上に続く階段で頭を抱えて「うわあぁ」と呻き声を漏らすのだった。
    一方その頃、先生が不在の保健室でベッドにちょこんと腰かけている義勇。ぼんやりと窓の外を見つめつつ、手のひらを煽いで熱くなった頬っぺたに風を送った。さっきのは何だったんだろう……。そう考えるたびに、少しかさついた実弥の唇の感触を思い出してしまう。ぽぽぽぽと、再び義勇の頬っぺたが赤く染まった。
    でも……。でも、不死川は誰かと間違えて俺にキスしたんだよな……。そのことに気づいた義勇は、胸がぎゅうと苦しくなる。何だかモヤモヤしたものが心を支配した。不死川、彼女いるのか……。と思って、義勇はしゅんと瞳を伏せるのだった。
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