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    jusimatsu

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    jusimatsu

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    GODARCA自陣?の胡乱話
    これ本当にGODARCAの二次創作で合ってる?

    【走ギャル】ゐる様【洒落にならない魔術師の話】「ゐる様避けのお守りかい?この地方には古くから効果覿面なのがあってね。どこにでも売ってるから、ひとつ買っておくといい」
    そう言って地元の人がメモに描いてくれたお守りの形は細長い形をしていた。
    棒の先端に丸いものが付いていて、さらにその先に十字架?のようなものが付いている。杖か何かだろうか。
    そういえばどこかの国の王族が戴冠式で使うものに似ている気がする。
    それ以降街をよく見ていると、確かにそこかしこにこの形状のお守りが売っている。丸い部分は球体だったり平たい円だったりしていたが、基本的な見た目はみんなメモ通りだった。
    素材や値段も様々だが、せっかくだから自分へのお土産品として、金属製で赤い石のついたものを買うことにした。
    「お客さん、旅行客かい?ゐる様避けにするんだったら、玄関や部屋の入り口近くに目立つように置くといいよ」
    ただの一回きりの買い物客にもそんなアドバイスをくれるなんて、このお守りは本当に地元の人に馴染み深い物なんだな。
    この地域には、ゐる様が現れては当時の領主を困らせていたという伝承が多く伝わっているらしい。なるほど、だから王が使う杖のような形をしているのか。
    それからまた各地を転々としていたのだが、宿に泊まる時はアドバイス通りにあの地方で買ったお守りを部屋の入り口近くに置いておいた。

    そんなある日、訪れた地で住民たちが不安そうにしていた。なんでも最近ゐる様が出没しているらしい。
    ゐる様なんてただの子供に言い聞かせるためのおとぎ話だと思っていたから、大人たちまでもが心から不安そうにしていることに驚いた。
    信じてはいないが、一応いつも通り宿に着くと、部屋の入口付近の目立つところにお守りを置いておいた。
    その夜、珍しいことにわけもなく目が覚めてしまった。外はまだ暗い。寝なおそうと目を閉じると、外に誰かが歩いているような気配があった。
    「どなたかお手伝いしていただけませんか?なに、ちょっとこの──を飲んでいただくだけでいいんです」
    この部屋からは離れているだろう距離から、まだ聞き取りづらい声量なのに、何を言っているのかハッキリ聞き取れてしまった。
    なんだこれは。ただの人間がこんな声を出せるわけがない。
    「どなたか協力してはいただけませんか?なに、──だけですよ。ふむ、この部屋の方も眠っているようだ」
    さっきより声が近づいている。もしかしたら隣の部屋にいるのかもしれない。
    「どなたかいらっしゃいますか?私の研究を手伝っていただきたいのですが」
    ! この部屋の中から声が聞こえた! どうして?ドアを開けた音はしなかった。閉め忘れるはずだってない。
    「どなたか……おや、皇帝殿ではありませんか。ちょうど良かった。ちょっとお付き合いいただけませんか?」
    違う!俺は皇帝とやらじゃない!皇帝なんかここにはいない!助けてくれ!
    「いやあ久しいですね。お元気そうで何よりです。皇帝区画の方はどうですか?こちらは……」
    声が遠ざかっていく……。なんだ、誰と話しているんだ……?
    しばらくの間震えていたが、いつの間にか眠ってしまったようで、気が付いたら朝になっていた。

    一体昨夜のあれは何だったのか。絶対に人間の物盗りなんかではなかった。あんな恐ろしいことは初めてだ。
    荷物もをまとめていると、入り口付近に置いたはずのゐる様避けのお守りがなくなっている。部屋のどこを探しても見つからなかった。
    まさか昨日のあれは本当に物盗りで、あのお守りを価値のある宝石だと思って持って行ったのか?そう思って荷物を確認したが、財布はもちろん換金できそうなものもすべて無事だった。
    入り口に宝石を置くような人物だと思われていたのなら、荷物が漁られないはずがない。まさかあれがゐる様で、お守りが俺の代わりにゐる様に持ち去られたのか?
    釈然としないまま、俺は宿を出て、少しばかり町をうろついた後、日が暮れる前に立ち去ることにした。

    ふとゐる様かもしれないなにかが現れたあの日、夢に金髪の見目好い青年が出てきたことを思い出した。あの青年、ずっとしょぼくれた顔をしていたな。顔がいいのにもったいないことだ。
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