夕暮れに君の影を見た1日の最後の鈴が学園に響くと、世界はオレンジ色に染まる。
窓から差し込む夕日が、廊下をやわらかく染めていた。
今日1日の締めくくりは魔法史の授業で、居眠りを決め込んでいた生徒に追加課題が渡されたところで終業のベルが鳴った。
トレイとケイトも1日のうちにこれでもかってくらい出された課題を携えて自席から離れる。
教室の前のドア近くでは、授業終了にはしゃぐ同級生たちがたむろしていたから、ケイトと2人で後ろのドアから退室することにする。さっきまでは教室中が静まり返っていたので、喧騒が耳に新しく感じた。
開け放たれていたドアをくぐろうとすると、これから部活なのであろう運動着の生徒に追い抜かれた。
廊下に出ると、彼と同じように運動着を着た生徒たちがグラウンドや部室に向かって駆けていた。
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