Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    rinkokonoe

    @rinkokonoe

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 32

    rinkokonoe

    ☆quiet follow

    塚橋組がご飯を相変わらず食べているだけの短いお話。
    ちゅーしてる描写が少しあります。

    夏の味最近の夏は暑さが異常だ
    外で働いている塚本は熱中症にならないように、塩分タブレットやら麦茶やらで予防をしつつ、汗をかいて整備をする
    34度、人間が働いていい環境ではないと思いながら俺は仕事をする
    シャワールームで汗を流してから家に帰る
    途中で和さんに連絡を入れてから、冷房の効いた電車の中で船を漕ぎそうになっていた

    「ただいま戻りました」
    「おかえり、今日は暑かったなぁ」
    風呂と飯、どっちにするかと言われ、もちろん飯ですと俺は返した

    「今準備するから、先にとうもろこしでも 食べててくれ」
    とん、と目の前に置かれた瑞々しいとうもろこしは少し塩が振ってあるのが見える
    お先に失礼します、といって齧り付く
    じゅわりとした甘味と少し強めの塩がちょうどいいバランスをしていて疲れた体に染み込んでゆく
    「茹で加減、どうだ?」
    「丁度いいです、すごく瑞々しくて」
    美味いです、というと良かったと微笑まれる
    胸の辺りがきゅう、となった
    がつがつと一本食べ終わった頃には、机の上に料理が広げられていた
    ゴーヤチャンプルーとオクラとエノキを刻んで和えた物、山盛りご飯に蕪と玉ねぎの味噌汁、それと二色のお漬物が
    「夏野菜が安かったから、作ってみたんだ」
    「初物ですねぇ」
    皿に取り分けてくれたそれを受け取ると、いただきますと言ってから食べる
    丁度いい厚さと苦味が舌に感じると思うと、卵とポークがその苦味を相殺してくれる
    もぐもぐと噛み締めながら、ご飯をかっこむ
    「和さんの料理、本当に美味いです」
    俺今日汗かいたから、すげぇ沁みます
    そんなことを言いながら、味噌汁を飲む
    きちんと出汁をとってあるそれは、野菜の甘味と味噌の旨味が相まって、沁み込む
    「汗をかいただろうから、少ししょっぱい物を作ってみたんだよ」
    そういいながら和さんも箸を進めている
    「そうだ、漬物なんだけどな二種類あるんだ」
    太郎はしょっぱい方が好きだったろ?
    そういって黄色い漬物をご飯の上に乗せてくれた
    ぱり、っとした食感に塩気と旨味がじわりと沁み込んでくる
    「和さんは、甘いやつが好きなんですよね、その白いやつ」
    「よく覚えてくれてるなぁ」
    お茶の共にもなるんだよ、と言いながら和さんは白い漬物を
    糖絞りだったか、甘味が強くて後を引いてしまうそれはぱりぽり、といい音を立てて和さんの胃袋の中に沈んでいった
    「やっぱり、飯で塩分取るのが一番美味くていいっすね」
    「そりゃあそうだ、塩分タブレットだけじゃ体に悪いからな」
    「しょうがないじゃないですか、仕事中は」
    じゃあ、明日は弁当作ってやるよ、そういって和さんがにこりと笑う
    「え、嬉しいですけど俺明日早番ですよ」
    「良いんだ、俺が作りたいからな」
    そんな事を話しながら食べていると、皿の中は空になっていた
    「デザートにスイカもあるぞ」
    「あー、夏って感じですねぇ」
    小ぶりなスイカが綺麗に片付けられたテーブルに乗せられる
    「汗かいたからな、沢山食べろよ」
    半分に切られたスイカとスプーンが渡される
    「こんなに食べられないですよ」
    「わかってる、ふざけてみただけだ」
    残り半分、綺麗に切り分けられたスイカが目の前に置かれる
    改めて、いただきますといった後にしゃくりと齧り付く
    当たりのスイカだ、甘くてじゅわりとジュースのようになった身が体の渇きを内側から満たしてくれる
    「うん、甘くて美味いな」
    上品に種を皿に吐き出していく和さんの姿になんだかムラムラしてしまう
    疲れているからだろうか、今口付けをしたら甘いだろうと
    「腹一杯か?」
    「いや、違います」
    慌ててガツガツと食べる、種ごと噛み砕きながら、飲み込んで濡れた指を舐める
    和さんは手首まで汁が伝っている
    勿体無い
    そう思った俺は皮だけになったそれを皿に投げ置くと、和さんの手首を掴んで下から味わうように舐めとった
    「太郎っ、こら、こしょばゆいだろっ」
    「ごめんなさい、すげぇ美味そうで」
    スイカより、俺和さんが食いたいです
    そういって艶めいている唇に吸い付く
    スイカの甘さと、和さんの味がする
    ぐちゅり、ぺちゃりと味わって、唇を離す
    こつん、と頭を叩かれる
    行儀が悪いぞと
    「片付けしたら、してもいいですか」
    「明日早番なんだろう?」
    それとは関係ないです、和さんが食いたいです
    そういった俺は、和さんの手を引いて寝室に消えて行った
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ☺🙏❤❤❤❤❤❤❤❤💒☺👏☺☺☺☺👏☺💖💖💖💒❤👏👏👏☺☺😊🍉☺💖☺💖🍉🍉🍉🍉🍉🍉🍉☺☺☺☺👏💕
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works