うごうご もぞもぞ
歩く気力もありません。ここしばらくの記憶が星空の映像しかない。地面に反射した光が眩しい。今は何時でしょう。
「待って………青団…」
「桂くん……はやく…あはは…」
遠くで子供たちが遊んでいる声が聞こえる。姿は見えないけど、あそんで、いるんですね……。
タッ………タッタッ…タッタッタッ
誰かがこっちに来ている……あ…いけない、こんな、廊下に這いつくばっている姿を子供たちに見せてしまったら…確実にトラウマになってしまいますよね………起きないと………。
「ああ!……須酥!!」
………呼び捨てって事はどうやら子供たちじゃないようですね、よかっ
「龍須酥〜〜っ!!!」
「うっ…」
急に目線が床からとびあがった。外の土の色しか見えていなかった両目が、一気に眩しい太陽を流し込まれて痛がっている。それだけじゃなかった。太陽と、よく晴れた空と……蝶……金色の蝶。
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